製薬企業におけるリスクマネジメントについて研究するページ イーコンプライアンス


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ICH-Q9解説

 

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品質リスクマネジメントとは

医療機器業界では、リスク管理は、欧州が先行し、90年代からISO-14971が制定された。
しかしながら、医薬品業界でリスク管理に関するガイドライン(ICH Q9)が作成されたのは、2005年のことである。
これほどにリスクの大きな業界であるにもかかわらず、医薬品業界では21世紀になるまでリスクマネジメントに関するガイドラインがなかったのである。
一般には「リスクマネジメント」と言われるが、医薬品業界では「品質リスクマネジメント」と呼ぶ。
ICH Q9が定義するリスクは、患者に対する健康被害を指す。けっして製薬企業の経済的なリスクや信用リスクのことではない。 

FDAは、2004年からGMP査察をリスクベースドアプローチに切り替えた。
つまりリスクの高い医薬品を製造する企業に対してより頻繁に査察を実施するということである。
また、製薬企業のリスクの高いプロセスを重点的に査察する。
したがって、製薬企業はリスクアセスメントを実施しておかなければならない。 

筆者がコンサルティングを実施する中で、こういう質問を受けたことがあった。
「当社ではリスクアセスメントに自信がないので、すべての設備をハイリスクと定義したいが良いか?」
つまり、すべてのプロセスをハイリスクと定義すれば、当局も文句なしではないかという意見であろう。
この考え方は全く間違っている。
なぜならば、リスクベースドアプローチは、リスクの低いプロセスに割り当てていたリソース(品質保証にかかわる労力・コスト)をハイリスクのプロセスにより多く配分するという考え方である。
すべてのプロセスをハイリスクと定義した場合、有限であるリソースが広く浅く配分されてしまい、本来のハイリスクに対する品質保証が手薄になる危険性があるのである。
これでは、規制当局の指摘を受けてしまうこととなる。 

医薬品企業における品質リスクマネジメントは、特定の部署だけが対応したり、手順書を作成するだけではない。
研究開発、設計管理、臨床開発、製造販売後、流通、申請、査察にいたる製品のすべてのライフサイクル全般について、すべての部署がそれぞれの手順にリスクマネ ジメントの概念を取り込まなければならない。
そのためには、リスクマネジメントの基本的な考え方と規制当局の期待を十分に理 解しておかなければならない。

さらに知りたい場合は、こちらへお問合せください。

リスクマネジメントに関する書籍

リスクマネジメント書籍 【要点をわかりやすく学ぶ】
製薬・医療機器企業におけるリスクマネジメント
≪ここがポイント≫
医薬品・医療機器それぞれのリスクマネジメントを初心者にも解りやすく解説!

・リスクマネジメントの全体像の把握と個々のアセスメント手法の理解
・リスクベースドアプローチとは??
・FDAが求めるリスク管理と査察対応
・医薬品・医療機器のリスクマネジメントの差異と各特徴・留意点
・「リスク」と「ハザード」の違いと各特定方法、マネジメント手法

【発刊日】2015年8月28日
【著 者】株式会社イーコンプライアンス 代表取締役 村山 浩一

筆者が常日頃から思ってきたことは、医薬品(ICH-Q9)や医療機器(ISO-14971)に関するリスクマネジメントのセミナーや書籍が皆目ないということである。その理由は定かではないが、おそらくいずれも非常に難解であることと、網羅的に実践した経験者が圧倒的に少ないことに起因するのではないかと思われる。
本書では、医薬品と医療機器のリスクマネジメントを両方取り扱う。医薬品と医療機器では、リスクマネジメントに関する対応方法や対象が異なる。
しかしながらそのプロセスはほぼ同じである。
医薬品と医療機器で、どのようにリスクマネジメントの実施に差異があるかということにも言及した。本書では、難解なリスクマネジメントについて、できる限りわかりやすく執筆したつもりである。本書が、読者諸兄のリスクマネジメントへの理解を深める一助となり、より安全な医薬品・医療機器を世の中に出せることを願っている。 (はじめに 抜粋)

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