20050620号

■eCompliance News ■□■□■□■□ 2004.06.20発 ■□■
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・CSV実践講座 第十二回 【ユーザ要求仕様書の書き方】
・一言アドバイス 【URSとPQ】

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◆配信中止・配信先変更は、support@eCompliance.co.jpまでお知ら
せください。
バックナンバーの閲覧は、以下のHPからお願いします。
http://www.eCompliance.co.jp/merumaga
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■□====セミナーのお知らせ【大阪開催】========================

【徹底解説】コンピュータバリデーションに関するSOP作成と
具体的ドキュメンテーション

日時:平成17年7月7(木)10:00〜17:00
会場:[大阪]イーコンプライアンス本社 10F会議室

【概 要】 
コンピュータバリデーションに関して、基礎から具体的なドキュメン
テーションまで、実例を元に解説する。またCSV実施に必要となるSOP
の作成方法や、日本版Part11への対応の考え方も解説する。

1.CSV(Computerized System Validation)基礎編
  ・CSV概要
  ・System Development Life CycleとCSV成果物の実際
  ・IQ,OQ,PQの考え方と実際
2.CSV SOP作成編
  ・QCとQAの考え方
  ・CSV SOPsの種類と階層化
  ・CSV Policyの具体例
  ・SOPs作成時の注意点と実際
  ・CSV SOPs作成のヒント
  ・日本版Part11の要求事項と対応方法

【セミナー資料はCD-ROMで配布予定】

■お申し込みにあたっての注意点■
※ お申し込みは電子メールで、氏名、会社名、連絡先電話番号、請
求書送付先住所を明記してsupport@eCompliance.co.jpまでお送りく
ださい。

■□====セミナーのお知らせ【大阪開催】========================

平成17年4月1日に発効された「医薬品等の承認又は許可等に係る申請
等に関する電磁的記録・電子署名利用のための指針」(日本版Part11)
に対応するための講座です。
電磁的記録、電子署名を利用するためにはどういう点に注意すればよ
いかを徹底的に解説します。
また具体的な資料を配布し、対応のための手順書作成について解説し
ます。

日時:平成17年7月14(月)10:00〜16:30
会場:[大阪・天満橋]ドーンセンター5F セミナー室2
内容:
1.日本版Part 11とは
  ・FDA 21 CFR Part11との違い
  ・電磁的記録とは
  ・電子署名とは
  ・対応すべき範囲
  ・条文解説
2.日本版Part 11の製薬業界に対するインパクト
  ・対応のための問題点
3.FDAの動向
4.日本版Part 11対応のための手順書作成方法

【セミナー資料はCD-ROMで配布予定】
お申し込みはこちら↓
http://www.gijutu.co.jp/doc/s_507173.htm

■□====eCTD Viewer,eCTD Builder発売のお知らせ================
当社はDatafarm社(本社Boston)から日本における独占販売権を取得
いたしました。eCTD Viewer、eCTD Builderを利用することにより、
安価かつ容易な新薬申請書およびeCTDの作成が行えます。
Datafarm社のホームページは http://www.datafarminc.com/ です。

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◆CSV実践講座 第十二回 【ユーザ要求仕様書の書き方】
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6.ユーザ要求仕様書
6.1 ユーザ要求仕様書(URS)とは
コンピュータシステムに対するユーザ要求仕様書(以下、URS)は、シ
ステムライフサイクル(SDLC)のプランニングフェーズの最初に作成
する。つまりユーザがURSを作成することにより、システムライフサイ
クルを開始する。(注:筆者の考え方は、URSが先で、バリデーション
マスタープラン(VMP)が次としている。ただしGAMP4によると、VMPと
URSの作成順序は特に指定されていない。)
URSは、ユーザが新システムに要求する概要的な機能やサービスの記述
を行い、導入するコンピュータシステムがどのような業務上の利益や
課題を達成しなければならないのかを定義する。
即ち、URSには、導入するシステムに対する下記の事項等を記載するこ
とになる。
1) システムを導入することによって発生する業務上の利益や課題
2) ユーザの要求事項
3) 実際の業務で必要とする機能
4) 導入するシステムが扱うデータの定義
5) 操作環境(例:Clientの環境、ユーザ数、サイト数など)
6) サービス(サポート)に関する要求
7) 予算(初期費用、メンテナンス費用)
8) 稼動時期
〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜
6.2 ユーザ要求仕様書の要件
上記からも理解できるように、URSは、下記の要件を満たさなければ
ならない。
-システムを導入することによってどんなビジネス上の利益があるか
を特定できていること
-候補となるパッケージの調査のための基準となること
-提案依頼書(RFP)の元になること
-機能仕様書(FS)を作成するための適切な基準となること
-PQが実施できること(注:GAMPのV-Model参照)
〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜
6.3 ユーザ要求仕様書(URS)執筆手順
URSは、パッケージ調査の前に初版の執筆を完了しておくことが望まし
い。何故ならばパッケージ調査は、URSにより要求されている各種の事
項と当該パッケージ候補がどのくらいマッチするかを調査するための
ものであるからである。
しかしながら昨今のビジネスの現場では、はじめにパッケージありき
でシステムの導入を行うことがほとんどである。逆にパッケージを使
用せず、ソフトウェアを一から開発するようなケースは稀となった。
そのような場合は、URSの執筆に先立って、ベンダーからパッケージに
関する多くの情報を入手し、場合によってはデモを見せてもらうこと
になる。そのようなベンダーからの情報を得た上で、URSを執筆した方
が、効率が良いようである。
URSは通常、ユーザ部門の代表者が執筆する。執筆者は、執筆前にシス
テムから得ることの出来るビジネス上の利益を検討しておかなければ
ならない。また別のユーザまたは共同執筆者によって、業務ニーズが
適切に特定されていることを確認する必要がある。またIS部門のメン
バーも、ユーザが技術的な要件を適切に記載していることを確認しな
ければならない。更に、システムのサポートスタッフは、新システム
稼動後に、必要となるサービス(サポート要件)が適切に記載されて
いることを確認すること。
〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜
6.4 ユーザ要求仕様書の内容
URSには、下記の内容を含めなければならない。
1.要求されるシステムの概要
・システムの目的
・システムの特徴
・システムの制約
・対応すべき規制要件
2.リプレースするシステム(存在する場合)の概要
・現行システムの概要(マニュアル作業の場合も含む)
・現行システムの問題点(リプレースの理由)
3.ビジネス上の利益
・満たすべき要求事項の一覧
・業務で達成したい事項
・新規もしくは変更した(する)ビジネスプロセスの概要
・具体的なプロセス
・ビジネスプロセスの効率
・規制へのコンプライアンス
4.具体的な機能要求
5.扱うデータの特定
6.サービスに関する要求
7.操作環境
・ユーザのクライアントシステム
・サーバー選定の条件(自社標準)
・技術的課題と解決策
8.推奨するパッケージ
9.他社事例
10.導入に関する要求事項
・開発とパッケージの購入にかかる費用
・システム維持にかかるコスト
・運用プロセスのコスト
・稼動までのタイムスケール
・具体的なスタンダードや技術、ツールの使用
11.リスク評価

★次回は、「バリデーション計画書の書き方」です。

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★一言アドバイス
【URSとPQ】
そもそもURSではCSVの作法を気にすることなく、ユーザの「思いの丈」
を記載すればいいと思っています。システム担当者は、いわばそのユ
ーザの「思いの丈」をシステムで実現するのが仕事です。
これまでも解説を行ってきましたとおり、ICHなどの定義によると、
バリデーションの定義はこうです。「電子データ処理システムが、完
全性、正確性、信頼性及び意図された性能についての利用者の要件を
満たしていることを保証し、文書化すること。」つまりバリデーショ
ンのゴールのひとつは、利用者(ユーザ)の要求(=URS)をシステムが
満たすことです。ここでいう"性能"とは英語に訳すと"Performance"で
す。PQ(Perfomance Qualification)の目的は、このユーザが要求する
性能(Perfomance)をシステムが出せるかどうかを検証(Qualification)
することです。ただし誤解していけないのは、ここでいうPerfomance
は、コンピュータの性能ではなく、業務が遂行できる能力と解釈しな
ければなりません。
このように、URSはPQの元になります。したがってURSに記載するユー
ザの要件は箇条書きにし、それぞれが識別できるように個別のIDを付
与する必要があります。そうしなければ、URSとPQとのトレーサビリテ
ィ・マトリックスが書けないことになります。
■□====編集後記==============================================
◆「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等に関する電磁的記録・電
子署名利用のための指針」いわゆる「日本版Part11」が発効されてか
ら、色んな面で多忙を極めました。それがこのメルマガ発行遅延の言
い訳なんですが、多くの皆様からも「最近メルマガが止まっています
ね。」と指摘されています。申し訳ありません。そんな私事はさてお
き「日本版Part11」という呼び名は、あまり相応しくないというご指
摘をいただきました。略称は「日本版ERES規制」と呼ぶことが好まし
いそうです。しかしながらインターネットで検索してみると、やはり
「日本版Part11」の方が多くヒットします。
米国では、CFRと呼ばれる「連邦行政規則集」があり、その21分冊目
がFDAの主管です。21 CFRの中には5,000を超えるPartが存在していま
すが、11番目、つまりPart11がERES規制です。11番目が欠番だったの
かもしれませんが、これだけ若い番号を付けたというのは、やはり
FDAが本規則を重要視しているということの現れでしょう。
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【 重要事項 】
★本メルマガに記載の原稿の著作権は(有)イーコンプライアンスにあり
 ます。
★本メルマガの全部または一部を引用する際には、事前にご連絡をお願
 いします。
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