20061116号

■eCompliance News ■□■□■□■□ 2006.11.16発 ■□■
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・CSV実践講座 第十八回 【バリデーション報告書の書き方】
・一言アドバイス 【電子署名とは】

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いします。
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■□====セミナーのお知らせ【東京開催】========================
《3日間選択制》〜日米当局の最新動向を踏まえた〜
【CSV SOP作成】【ER/ES対応】【eCTD申請】実践講座

●日 時:平成18年11月28日(火)/29日(水)/30日(木)
【3日間とも】 10:30〜16:30
●会 場:[東京・大井町] きゅりあん 5F 第1講習室

【1日目】『コンピュータシステムバリデーション実施におけるSOP
       作成手法』

CSV(Computerized System Validation)の概要と成果物の実際を解説
する。どこまでやっても自信が持てないか、不安になってしまうCSV活
動に関して、そのゴールを明確に解説し、実際のSOPや成果物を参照し
ながら解説する。

【2日目】『日米Part11対応の基礎と対応の実際』

ともに難解な21CFR Part11と日本版ER/ES指針を判りやすく解説する。
日本版ER/ES指針の条文解釈と作成すべきガイドライン、SOPの実例をも
とに解説する。また改定が予定されている21 CFR Part11の現状と、対
応課題を解説する。

【3日目】『eCTD申請のドキュメント管理と社内標準化』

eCTDに対応するための基礎講座。eCTD申請を実現するために必要なド
キュメント管理システムの導入方法と利用のための検討事項を解説す
る。またDatafarm社製のeCTDBuilderを使用し、eCTD申請作成のデモン
ストレーションを行う。

お申し込みは下記URLからお願いします。
http://www.gijutu.co.jp/doc/s_611114.htm

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◆CSV実践講座 第十八回 【バリデーション報告書の書き方】
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12.バリデーション報告書
12.1 バリデーション報告書とは
バリデーション報告書の目的は、実施したバリデーション活動を要約
し、バリデーション計画書からの逸脱を記述することである。
筆者がしばしば経験するバリデーション報告書の間違いは、「バリデ
ーション計画書」と「バリデーション報告書」がほぼ同じ内容になっ
ているということである。おそらく「バリデーション計画書」の内容
をCopy & Pasteをして「バリデーション報告書」において「〜をする」
を「〜をした」に変更しているのであろう。「計画」と「結果」が一
致するというのは、実に奇妙であるといえる。
「バリデーション報告書」を執筆する際に必要なのは、「計画」から
の逸脱を記載することである。つまり、計画通り実施できた事項に関
してはあまり記載の必要がなく、むしろ計画通り実施できなかったこ
とを「正当化できる理由」と共に記載するべきである。
プロジェクト期間中の障害や、変更のサマリーとそれらによるインパ
クト(リスク)を十分評価し、たとえ障害や変更があったとしてもシ
ステムの利用を開始(サービスイン)してもかまわないという理由を
検討しなければならない。障害の程度と内容によっては、運用で回避
が可能なものや、システムそのものを利用できないものもあり得る。
バリデーション報告書には、以下を記載すること。
1) プロジェクトのフェーズとその活動が管理されており、再現可能で
あること(トレーサビリティの保証)
2) 作成した成果物と日付
3) バリデーション計画書からの変更および逸脱(非作成ドキュメント
など)と、それを正当化できる理由(Justification)
4) プロジェクト期間中に発生した障害の要約と対処方法
5) コンピュータシステムが受諾可能であり、利用開始できる根拠
作成したバリデーション報告書は、QAのレビュを受け、コンピュータ
システムが利用開始できる根拠について同意を取っておく必要がある。
QAのレビュでは、文書化された証拠(つまりCSVの成果物)をもとに、
再現性を検討する。すなわち再度同じ作業を行った場合、同じ結果が
得られるかということである。再現性がなければ、信頼性の保証は行
えない。なぜならば、信頼性保証は偶然性を排除し、何度行っても同
じ結果が得られることを保証することだからである。
さらにバリデーション報告書は、プロジェクトの責任者が承認するこ
と。
〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜∞〜
12.2 バリデーション報告書の内容
1. イントロダクション
プロジェクトの簡単な背景と、他のプロジェクトと本プロジェクトの
関係を記述する。
2. 範囲
VMPで定義しているコンピュータシステムの定義と、その適応範囲の
拡大と縮小を記載すること。
3. プロジェクトフェーズと実施作業の結果の要約
3.1 フェーズと実施作業の結果
コンピュータシステムを完成させるために実施する、VMPに記載してい
るフェーズと実施作業の結果を記載する。
3.2 VMPからの逸脱
品質受諾条件からの逸脱を含め、要求された実施作業を実施している
間に発生したVMPからのあらゆる逸脱を記載する。
4. 成果物
本セクションには、VMPで要求されている成果物の一覧を記載するこ
と。VMPにある要求どおりに定義されているが完成していない成果物
については、その理由の根拠を示す合理的な説明を記載すること。
5. 障害と例外の要約
本セクションは、VMPによって要求された実施作業を実施している間
に発生したあらゆる重要なまたは主要な障害や例外の要約を記載する。
これらには理由はもちろん、障害または例外を解決するために取られ
る調査または是正措置、計画された実施作業が必要とされなかった理
由への簡単な合理的説明を記述すること。
全ての障害や例外を要約する場合もある。より情報を詳細にするため
に、他の成果物への参照を本セクションにおいて作成する場合もある
(例:障害ログ)。
6. 使用の制限と制約
コンピュータシステムの本稼動におけるあらゆる制約または制限を文
書化する。
7. 結論
現在までのプロジェクトへの取り組みから導かれた結論を記載する。
事前に策定された品質受諾条件がVMPに記載されたとおり合致してい
るか否か、かつプロセスはコントロールされ、再現可能であるか否か
に関連して記載すること。

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★一言アドバイス
【電子署名とは】
電子署名は、電子文書の正当性を保証するために付けられる署名情報
のことです。紙の書面には捺印ができますが、電子文書には捺印がで
きないため、電子署名を捺印に相当すると法的に認めたものです。
電子署名は、文字や記号、マークなどを電子的に表現して署名行為を
行なうこと全般を指します。特に、公開鍵暗号方式を応用して、文書
の作成者を証明し、かつその文書が改ざんされていないことを保証す
る署名方式のことを「デジタル署名」と言います。
電子署名は、以下の2つ要件に該当しなければなりません。
1.当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示す
ためのものであること。(本人性証明)
2.当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することが
できるものであること。(非改ざん性証明)
多くの人が誤解しているのが「21 CFR Part11と日本版ER/ES指針の電
子署名は同じだ。」ということです。実は日本版ER/ES指針の電子署名
とPart11の電子署名は異なります。
日本版ER/ES指針では、4.(1)で「電子署名及び認証業務に関する法律
(平成12年5月31日法律第102号)に基づき、電子署名の管理・運用に係
る手順が文書化されており、適切に実施していること。」と記載され
ており、電子署名法でいう電子署名と定義が同じであることがわかり
ます。
一方、Part11では、ユーザIDとパスワードの組合せまたはバイオメト
リックスにより、真の所有者のみが行える行為を電子署名と定義して
います。この方法では、上述した2つの要件のうち1.の「本人性証明」
のみを満たすことになります。つまりPart11の定義する電子署名では、
2.「非改ざん性証明」ができません。
通常、電子署名を伴う電子文書を保存する場合は、pdfフォーマット
を利用します。なぜならばpdfでは電子署名を同一ファイルに埋め込
むことができ、送信などの際にリンクが切れないからです。現在のと
ころMS-Word等では、電子署名を埋め込むことができないことから、
リンクが切れないという保証が困難です。
電子署名は、認証局(CA)による電子証明書を伴わない場合、当該情
報が当該措置を行った者の作成に係るものであること証明することが
できません。(主張することはできます。)また第三者による改変の
事実は発見できるが、本人による改変は見抜けません。(この場合第
三者によるタイムスタンプが必要となります。)
先に述べましたように、電子署名は紙社会における印鑑に相当します。
紙社会においても、書面の重要性に応じて、三文判でも良いのか、実
印が必要なのかが決まります。電子の世界でも同様のことが言えます。
電子文書の重要性に応じて、認証局(CA)の認証(電子証明書)を伴
う電子署名(つまり実印に相当する)を利用するのか、電子証明書を
伴わない電子署名(つまり三文判に相当する)で済ませるのかを判断
しなければなりません。
当然のことながら副作用の電子報告に見られるように、規制当局がCA
の認証を伴う電子署名を求めている場合は、それに従わなければなり
ません。
■□====編集後記==============================================
◆先日海外出張で渡米した際に、飛行機の中でインターネット接続が
できることを知りました。これまでは10時間以上の機中で、映画を見
るか眠っているかでしたが、今回はメールを送受信することができま
した。しかしながら、上空から衛星経由でメールが送れることを友人
たちに知らせたかったものですから、長々とメールに耽ってしまいま
した。
そろそろ仕事をしようと思ったころには、パソコンの電池が切れてし
まった次第です。

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【 重要事項 】
★本メルマガに記載の原稿の著作権は(株)イーコンプライアンスにあ
  ります。
★本メルマガの全部または一部を引用する際には、事前にご連絡をお
  願いします。
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  ■□■□ ご意見・ご質問の寄稿をお待ちしています ■□■□
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●質問大募集!!
★教えてCSV!
★Part11はどうなるの?(いつ改訂されるんでしょうね。)

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●発行責任者 村山 浩一
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