『臨床評価と性能評価について』

ISO-13485の「7.3.7 設計・開発のバリデーション」には以下の記載がある。

『設計・開発のバリデーションの一部として、組織は、適用される規制要求事項に従い、医療機器の臨床評価または性能評価を実施する。臨床評価または性能評価lこ用いる医療機器は、顧客の使用のための出荷とは見なさない。』

臨床評価とは、ヒトに対して実際に機器を使用してみて評価する設計バリデーションの一部である。

臨床評価は、IVD製品(体外診断用医薬品)を除く医療機器の設計バリデーションにおいて必須である。

なぜならば医療機器はその使用目的に対して有効で安全でなければならず、ヒトを対象とした評価は必須であるためである。

機器によっては、臨床評価の一環として臨床試験が必要な場合がある。医療機器の承認(認証)申請が目的で実施する臨床試験を治験と呼ぶ。

治験は、治療的実験を略したものである。

一方で、性能評価はIVD製品に対して実施することが求められている。

昨今のコロナ禍においても、PCR検査の精度がしばしば議論に上がっている。

『臨床評価または性能評価lこ用いる医療機器は、顧客の使用のための出荷とは見なさない。』

とは、臨床評価等を実施する目的で医療機関などに搬送する行為は、未承認医療機器に対して免責を行っているのである。

米国ではIDE(Investigational Device Exemption)と呼ばれる。

設計バリデーションは、顧客の製品使用のためのリリースに先立ち完了する必要がある。

筆者のもとにしばしば質問があるのは、承認・認証のためには設計バリデーションが必須ではないか。バリデーションは顧客の製品使用のためのリリースの直前ではなく、もっと早く終える必要があるのではないかといったものである。

多くの医療機器ではその通りであろう。

しかしながら、医療現場に設置するまではバリデーション(実際の環境におけるユーザによる妥当性確認)が出来ない機器も存在するのである。

例えば、重量子線治療装置などである。重量子線治療装置は医療機器企業において組み立ててから出荷するのではなく、現地において建屋ごと建設し、組み立てなければならない。設計も1台づつ異なるのである。

リリースとは顧客への引き渡しのことである。医療機関に設置することと引き渡すことは異なる。

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