臨床評価の重要性

ISO 13485 7.3.7『設計・開発のバリデーション』に以下の要求がある。
『設計・開発のバリデーションの一部として、組織は、適用される規制要求事項に従い、医療機器の臨床評価または性能評価を実施する。』
医療機器においては『臨床評価』の実施が必須であり、体外診断用医薬品においては『性能評価』が必須である。

なぜ臨床評価が重要か?

そもそも医療機器はヒトに対して使用するものであり、臨床評価により安全性および有効性を評価することは当然である。
臨床評価は、医療機器の安全性と性能が、十分な臨床的エビデンスに基づいて、市場における機器のライフサイクルを通して継続的に評価されていることを保証するために重要である。

なぜ継続的な臨床評価が必要か?

MDR(欧州医療機器規制)において、PMCF(市販後の臨床フォローアップ)に関する要求が厳しくなった。
MDRにおいて、PMCF計画書などは技術文書の一つとして数えられ、適切に作成・維持および遵守が求められる。
多くの医療機器企業において、PMCFを実施しないと決定していることが見受けられる。
しかしである。医療機器の設計・開発において、残留リスクが受容可能ではなく、リスク/ベネフィット比を根拠に開発を推進するケースがある。
しかしながら、医療機器の設計・開発時に想定されたリスク/ベネフィット比は、時間の経過とともに変化することを忘れてはならない。
なぜならば、医療機器の製造販売後において、
・ベネフィット(有効性)は下がるのみ。
・リスクは上がるのみ。(新たなハザードの発見)
だからである。

つまり、当該医療機器の設計・開発当時よりも、より良い治療・診断技術が発明され、または医薬品などの開発により代替されることもある。これにより、ベネフィットは下がってしまうのである。
一方において、リスクが下がることはまず考えられず、むしろ設計・開発時に想定していなかった新たなハザードが発見されることがある。つまり、当該医療機器の設計・開発当時よりもリスクは高くなってしまうのである。

最新のリスク/ベネフィット比を知るには、臨床的知見の蓄積は必須である。またState of the art(最先端)も変化するため、最新の安全性情報(類似品など)、規制要件、国際規格、共通仕様などを取り込まなければならない。

継続的な臨床評価プロセスにより、製造業者が機器のライフサイクルを通じて常に機器のリスク/ベネフィット比を評価し、必要に応じて機器を改良する必要性があるのである。
今後、新規医療機器を開発するにあたって、よほどリスクマネジメントが完全・完璧でない限りはPMCFに実施は必須となるであろう。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。