ハイブリッドシステムの問題点

ハイブリッドシステムとは

製薬企業において、多くの場合、全ての記録が電子化されている訳ではない。
記録を電子で作成するが、最終的に紙媒体に印刷して手書きの署名(または記名・押印)をしているケースが多々見られる。 いわゆるハイブリッドシステム(電子記録+手書き署名)である。(下図参照)

ハイブリッドシステム

ハイブリッドシステムにおける誤解
ここで多くの人が間違って認識していることがある。
ハイブリッドシステムにおいて、紙媒体に印刷し手書き署名をした際、記録まで紙媒体になったと思っている人が多い。
これは違う。
紙媒体に手書き署名をした場合でも、記録は電子のままである。
FDA等の規制当局は署名を紙媒体で確認するが、記録は電子で確認する。
その理由は、紙媒体には監査証跡がなく、記録が改ざんされているかいないかが不明であるためである。
従って、当該記録を紙媒体で承認したからといって、電子記録を消去してはならない

ハイブリッドシステムの問題点
ハイブリッドシステムは中途半端な電子化である。
ハイブリッドシステムでは、不正が容易となる。例えば、データを改ざんした後、再印刷し、バックデートで署名することも可能である。 下図を見て頂きたい。

手書き署名の日付(2015年3月31日)よりもExcelのタイムスタンプ(2016年4月25日)が新しいということは何を意味するだろうか。
2016年4月25日にデータを変更して、2015年3月31日付でバックデートして署名をしたことが疑われる。
電子記録の場合、不注意などの事故により、ファイルのタイムスタンプを変更してしまうこともあるだろう。
従って、ハイブリッドシステムにおいては、下記のような運用を手順書で決めておかなければならない。

  1. 電子記録作成後、すみやかに印刷し、当日の日付でサインすること。(pdf化し、電子署名を付しても構わない。)
  2. 電子記録は、削除しないこと。
  3. 電子記録は、タイムスタンプ(ファイル日付)を変更しないこと。
  4. 電子記録は、セキュリティで保護された環境で管理すること。(CD-R等に焼くのがベスト)

電子署名の必要性
電子記録には、電子署名を付すべきである。
電子署名はバックデートできないからである。
電子署名を使用する場合は、Part11ER/ES指針を遵守することが望まれる。 昨今普及してきた電子印鑑などはPart11やER/ES指針の要求事項を満たさない場合が多いので、注意が必要である。

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