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日本版Part11対応支援 | 保存性 |
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電磁的記録の保存期間は、紙の記録に対する規制で定められた保存期間と同じであると考えられる。 紙媒体による保存の場合は、ほぼ永久的に資料が維持できる。ところが、電子媒体の場合は、経年劣化が問題となる。 |
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目的とする保存期間に応じた適切な保存環境を設定することが重要である。 以下のいずれかを選択すること。 1.保存環境の整備コストを掛け、長期間の保存に対応する。 2.保存コストを抑え、保存環境に応じた保存期間内で使用し、その期間を越えた場合、マイグレーションを行なう。 |
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保存された文書ファイル、監査証跡等を意図的な削除、OS障害やストレージの偶発的故障によるデータロストから防ぐには、WORM(WriteOnceReadMany)デバイスの使用が有効である。 WORMデバイスに登録されたファイルは書換え禁止のみならず削除禁止となる。 WORMデバイスとしては、従来から実績のある追記型の光ディスクと近年発達してきている追記型の磁気ディスクアレイの2種類がある。 |
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必要とするアクセス性能や運用形態などによってデバイスを選定する。 磁気ディスクアレイを選択した場合は、バックアップ(真正性の要件のひとつ)の強化が必要である。 |
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リムーバブルメディアの要件は以下の4点であり、(1)、(2)、(3)は必須、(4)は推奨である。 (1)媒体はカートリッジでの保護が望ましい。 (2)媒体は埃、傷対策として強化コーティングしてあることが望ましい。 (3)媒体はクリーニングできること。 (4)媒体は埃が入らないような密閉構造が望ましい。 |
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ER/ES指針において、保存性が要件になっている理由は、電磁的記録および電子署名には下記のようなリスクがあり、それらリスクを回避しなければならないからである。 −保存した電磁的記録および電子署名が消失・変質・破壊されるリスク −保存した電磁的記録および電子署名が読み出せなくなるリスク |
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FDAの査察は、予告なく行われることがある。(3回に1回の査察は突然やってくる。)したがって、どんなときにも電磁記録が査察に供せる状態におかなければならない。このことは非常に大きな議論を呼んだ。当該システム稼働中は、そのシステム上に保持している電磁記録で対応ができる。しかしながら問題は、耐用年数を超えたシステムや、新規システムに置き換えられた場合である。米国で議論となったのは、査察を受けるためだけに当該システムを維持するのは困難であるということである。しかし、マグネチックテープなどのバックアップ(電磁的記録媒体)だけでは、電子情報の検索、表示、印刷等が行えないのである。従って、使用しなくなったシステム上のデータは、新しいそれに代わるシステム上にマイグレーション(データ移行)する必要がある。 |
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