セミナー講師
合同会社エクスプロ・アソシエイツ 代表
望月 清 氏
【講師情報】
1973年山武ハネウエル株式会社(現アズビル)入社。分散型制御システム(DCS)を米国ハネウエル社と分担開発。2002年よりPart 11およびコンピュータ化システムバリデーションのコンサルテーションを大手製薬会社にご提供。2009年より微生物迅速測定装置の啓蒙普及に従事。2014年5月より現職
■本テーマ関連の活動と資格
米国ISPE GAMPデータインテグリティ専門部会メンバー
米国PDA認定コンピュータシステムオーディター
日本QA研究会認定 GLP-QAプロフェッショナル(GLP-QAP)
日本PDA製薬学会 無菌製品GMP委員会 環境モニタリンググループメンバー
日本ISPE無菌委員会 環境モニタリングWG元リーダー
・データインテグリティ/CSV/ERES/Part 11/スプレッドシートに関する講演多数
http://www.it-asso.com/gxp/seminar.html
・データインテグリティ広場 主宰
http://www.it-asso.com/gxp/dataintegrity.html
■
WEB
連載 ラボにおけるERESとCSV
https://www.gmp-platform.com/author_detail.html?id=112
★国内におけるFDAの査察指摘を好評連載中
(製造におけるDI指摘を含む100社超における事例紹介)
セミナー趣旨
コンピュータ化システムのバリデーション(CSV)実務を最適化し、より付加価値の高い業務に人的リソースを配分すべきという企業理念がある。しかし、CSV実務を最適化、たとえば簡略化しすぎると査察においてバリデーション不十分と指摘される危険がある。そのような査察指摘を受けないCSV実務の最適化方法を紹介する。CSVはユーザーが単独で実施するものではなく、ユーザーとベンダーの協働作業となる。どのように協働作業を行えばCSVの最適化を適格に行うことができるか解説する。また査察指摘が散見される再バリデーションについても解説を行う。
一方、FDAは原薬を含む国内の医薬品製造施設を2018年~2024年にかけて194件査察し、138件において指摘を行った。その138件の指摘うち81件においてデータインテグリティ(DI)の不備が指摘された。また、2021年に改正されたGMP省令にDI要求が含められたことからも、DI対応は急務である。
DI対応の要件はALCOAであるといわれているが、様々なDIガイダンスを読み込んでALCOAを頭のなかで深掘りしても、査察官が期待するDI実務レベルにたどりつけない。DI対応の出発点は電子記録の管理であるので、DI対応は電子記録の管理から始める必要がある。
査察官が期待するDI実務レベルは、当局査察における指摘事例から学び取るのが確実である。査察指摘の開示が最も進んでいるのはFDAであり、生の査察指摘文書(FDA Form 483)をすべて入手できる。
本講座では、米国情報公開法(FOIA)にもとづきFDAへ開示請求して入手した3,000件を越す生の査察指摘事例を踏まえて、DIの基礎と実務を具体的に説明する。なお、FDAの年間査察指摘件数は約1,000件である。
FDAの査察指摘事例によれば以下の様なDI指摘が多い。
・電子記録が改変から保護されていない
・電子記録を現場の職員がバックアップしている
・電子生データをレビューしていない
・監査証跡をレビューしていない
・スプレッドシートにオリジナルデータを保存している
・スプレッドシートのCSV記録が不十分
・スプレッドシートの計算式が改変から保護されていない
・再解析の開始条件が規定されていない
・再解析を電子記録と監査証跡によりレビューしていない
・システム管理者権限を現場の職員に与えている
・日時設定を現場職員が変更出来てしまう
・記録用紙が現場でコピー出来てしまう
ERES(電子記録/電子署名)とCSVの本質と基礎を説明したうえでFDAの査察指摘事例を紹介するので、コンピュータに馴染みのなかった方でもラボシステムのCSVの最適化とDI対応実務を習得していただける。
また、増加しつつあるクラウドサービス利用における留意点やスプレッドシートのCSV/DI対応の概要も説明する。