COVID-19におけるパンデミックは終息が見えません。私たちは当分の間withコロナとして過ごしていかなければなりません。
世界では実質多くの経済活動が制限され、これまでのように容易に相手先へ赴いて対面による会議等を行うこともままなりません。
しかしながら、患者の安全性の確保を考えた場合、FDAやPMDAなどの規制当局は医薬品等の査察を止める訳にはいかないでしょう。
昨今ではCDERから、リモートで実施する書面ベースの査察によるWarning Letterが発行されてきています。
例えばあるAPI製造企業は2020年4月16日にFDAから記録提供のリクエストを受けましたが、いくつかの記録を提出できませんでした。
FDAは2020年12月3日に当該企業の製品に対して輸入制限(Import Ban)を課しました。
また2021年4月13日にWarning Letterを発行しました。
現在のところ、遠隔査察でGMP違反が見つかった場合、おおよそ1年後くらいにWarning Letterが発行されています。
FDAは2020年6月12日に「COVID-19 and Beyond: Oversight of the FDA's Foreign Drug Manufacturing Inspection Process」と呼ばれるCOVID-19下における外国企業の査察プロセスについてtestimonyを発行しました。
これにはコロナ禍における医薬品の査察に関するFDAのアプローチ等がまとまっています。
また2021年4月13日、FDAのCDER(Center for Drug Evaluation and Research)はCBER(Center for Biologics Evaluation)およびCVM(Research Center for Veterinary Medicine)の協力を得て、Remote Interactive Evaluations of Drug Manufacturing Establishments(COVID-19 公衆衛生緊急事態中の医薬品製造及び バイオリサーチモニタリング施設のリモートインタラクティブ評価業界向けガイダンス)を発行いたしました。
医薬品企業にとって今後のFDA査察対応を考える上で一読する必要のあるガイダンスです。
本ガイダンスには、以下が示されています。
• どのような場合にFDAはリモートによるインタラクティブ評価を実施を検討するのか
• リモートによるインタラクティブ評価に用いる技術(FDA Microsoft Teams/FDA Zoom for Government/FDA Adobe Connect)
• リモートによるインタラクティブ評価の実施
• リモートによるインタラクティブ評価の実施におけるFDAの期待
• リモートによるインタラクティブ評価後の対応(FDAのObservationsに対する回答期限等)
なお、リモートによるインタラクティブ評価の場合、その結論としてFDA Form483ではなく、FDAの所見(observations)を記載したリストが提供されます。当該Observationsに対して15営業日以内の回答が求められています。
本セミナーでは、FDAによるリモート査察の概要と準備すべき事項や留意すべき点等を90分間で分かりやすく解説いたします。
また、PMDAによるリモート査察の状況についても解説いたします。
1.FDAによるリモート査察概要
これまでの査察と何が異なるのか
2.リモート査察における準備の留意点
3.リモート査察実施における留意点
4.PMDAによるリモート査察の現状