ユーザから、自社開発品・サービスはどう思われているか?
バイアスをかけずに素直な気持ち・感情・心地を聞き出すアンケート調査とその勘どころ
・音響機器メーカ2社の取り組み比較:「ユーザの課題の解決や願望を実現する」製品開発の方針と設計での再現例
・世論調査や消費者ニーズ調査等で培ったアンケート調査の勘どころ:「尋ね方(質問文)」「Web調査の注意点」他
・得られた回答用紙から何を抽出し、製品・サービスに反映するか?:統計処理と感性データマイニング
・事例から学ぶ「感性評価手法」と「アンケート用紙の工夫」:個々人の嗜好の反映、子どもへの尋ね方 他
開発・改良の指針としていた「ニーズ調査結果」「製品の使用感」「サービスへの感想」が、
回答を誘導するような質問文・アンケート用紙、誤った統計処理が行われたデータ等のために、
市場が求めるものとまったく違う方向にいってしまった……ということがないように!
本書は、"顧客に気に入られる"製品開発・サービスの創出を目的に構成しました。
具体的には、ニーズ調査や感性評価等で実施する「アンケート調査」を主題として、人が感じたことをいかに聞き出し、抽出し、開発に反映するかをまとめた1冊としています。
現在は多くの製品・サービスにおいて、性能・機能などの「機能的価値」だけでは差がつかないといわれています。
例えば「今の時刻がわかる」ことだけでいえば、ブランド品の高価な時計と安価な時計の間に大きな差はありません。
しかし「文字盤のデザインが好き」「このブランド・メーカのファンである」「流行っているから(流行に敏感な自分でいたいから)」等の理由から、私たちは自然と自分が好ましいと思う方を選んできました。
人が物事を通して得た印象・感情・心地等を、いかに製品・サービスの価値と結びつけ、"顧客に気に入られる"ようにするか。
そのためには、人が気付いたあるいは感じたけれど気付いていない「想い」をなるべく素直に聞き出すことが、はじめの一歩であるように思います。
本書の内容は以下の通りです。
・感覚的便益の実現過程と音響機器メーカ2社の取り組み比較 (1章)
・感性情報を得るための、官能評価の実施方法と勘どころ (2章)
・アンケート作成と調査時に気をつけるべき点、その対処 (3章)
・アンケートデータをいかにまとめ、有益な情報を抽出するか (4章)
・人が受けた印象を測る、または測るための手法やアンケート用紙例 (5章)
本書が、皆様の「製品・サービス」と「顧客の気持ち」を結ぶ一助となるような書籍となれば幸いです。
最後になりましたが、本書に快くご執筆賜りましたご執筆者の皆様をはじめ、ご相談等ご協力を賜りました先生方にも心から厚く御礼を申し上げます。
(書籍企画担当)