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[書籍] 企業技術者のためのポリイミド 高性能化・機能化設計
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商品名 企業技術者のためのポリイミド 高性能化・機能化設計
価 格 66,000円(税込)
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第1編 ポリイミドの基礎

 第1章の序論では,ナイロンに始まる重縮合の歴史的な視点から,耐熱性高分子のポリイミドの開発の時代背景や開発経緯,特性の位置づけからも俯瞰的に理解できるようにした。第2章はポリイミドの固有構造と物性の関係の整理から,ポリイミドらしさを発現する特徴の理解を深め,この章以降のポリイミドの合成や第2編の応用と製品設計へと展開できる知識から知恵となるように解説した。さらに第3章でポリイミドの合成(重合からイミド化反応)の各合成法の特徴と選択の基準,第4章は展開可能なモノマー種とその構造からの特徴,第5章ではポリイミドの特長となる基本的特性の熱的性質(物理的耐熱性,化学的耐熱性,熱線膨張係数)や力学的性質を,構造との関係で解説した。
(「はじめに」抜粋)

 第1章 ポリイミド序論
  1. ポリイミドとは
  2. 耐熱性高分子としてのポリイミドの位置づけと開発の歴史
    [コラム1-1:耐熱性高分子の基本構造]
    [コラム1-2:高分子の命名]
    [コラム1-3:プロセスウインドウ]
    [コラム1-4:化学構造式]
    [コラム1-5:熱たわみ温度(HDT)]
    【補講1-1:連鎖重合(付加重合)と逐次重合(重縮合)】
    【補講1-2:W. H. カローザース】
    [コラム1-6:共役ジエンの重合からの合成ゴムの化学構造]
    [コラム1-7:セレンディピティ(serendupity)]
  3. ポリイミドの分類
   3.1 化学構造から
   3.2 ビジネスから見たポリイミドの製品形態の分類
    [コラム1-8:分類すること]

 第2章 ポリイミドを特徴づける構造
  1. イミド基構造
   1.1 イミド基の特長
    [コラム2-1:耐熱性の定義]
   1.2 イミド基濃度
  2. 剛直鎖構造
    [コラム2-2:剛直高分子の特長]
  3. 分子内・分子間相互作用:CT錯体

 第3章 ポリイミドの合成
  1. ポリイミドの重合反応
   1.1 ジエステルカルボン酸,およびその誘導体から
     1.1.1 ジエステルジカルボン酸とジアミンの溶融重縮合(1段重合)
     1.1.2 ジエステルジカルボン酸クロリドとジアミンの溶液重縮合(2段重合)
   1.2 テトラカルボン酸二無水物から
     1.2.1 テトラカルボン酸二無水物とジアミンからの低温溶液重縮合(2段重合)
     1.2.2 テトラカルボン酸二無水物とジアミンの高温溶液重縮合(1段重合)
     1.2.3 テトラカルボン酸二無水物とジイソシアナートの高温溶液重縮合(1段重合)
     1.2.4 テトラカルボン酸二無水物とN-シリル化ジアミンの低温溶液重縮合(2段重合)
     1.2.5 ポリイソイミド経由(2段重合)
     1.2.6 蒸着(気相)重合(1段重合)
   1.3 重合にイミド基生成が関与しないポリイミド合成
     1.3.1 芳香族ジニトロ化合物へのビスフェノラートの求核置換による
        ポリエーテルイミドの合成(1段重合)
     1.3.2 アミンのビスマレイミドの求核付加(マイケル付加)反応
  2. イミド化反応
   2.1 熱イミド化
   2.2 化学イミド化

 第4章 製品に用いられている代表的なモノマー
  1. テトラカルボン酸二無水物
   1.1 入手可能なテトラカルボン酸二無水物のリスト
   1.2 テトラカルボン酸二無水物の合成
     1.2.1 芳香族テトラカルボン酸二無水物の製法
     1.2.2 脂環族テトラカルボン酸二無水物の製法
  2. ジアミン
   2.1 入手可能なジアミンのリスト
   2.2 ジアミンの合成
     2.2.1 芳香族アミン
     2.2.2 脂環族アミン
   2.3 ジアミンの安全性
    [コラム4-1:製造コスト(固定費(人件費))]

 第5章 ポリイミドの主要特性 
  1. 熱的性質
   1.1 ガラス転移温度
   1.2 熱分解温度
    [コラム5-1:熱分解温度の測定]
    [コラム5-2:自消性・不燃性]
   1.3 熱線膨張係数
  2. 力学的性質(弾性率・強度,靭性)

 第2編 ポリイミドの応用と製品設計 

 第2編の応用と製品設計は,実用化されているポリイミドの高性能化・機能化について,どのような考え方で高分子設計が行われているかを,基礎編のポリイミドらしさの構造と関連づけて理解できる6つの章で構成している。製品設計への応用として,可溶性,熱可塑性や熱硬化性の加工性を第6章,耐宇宙環境耐性が要求される宇宙用ポリイミド材料を第7章,断熱性の多孔材や高熱伝性のグラファイトなどのポリイミド熱制御材料を第8章,耐熱性電子材料で常に注目される低誘電率ポリイミドを第9章,寸法安定性を含む耐熱性と屈折率の制御の透明ポリイミドを第10章,脂環族系ポリイミド特有の用途の液晶配向膜を配向機構も含めて第11章からの構成とした。 
(「はじめに」抜粋)

 第6章 ポリイミドの加工性
  1. 可溶性
  2. 熱可塑性
   2.1 結晶性ポリイミド構造
  3. 熱硬化性ポリイミド
   3.1 マレイミド型:ビスマレイミドへのジアミンのマイケル付加反応
    [コラム6-1:マイケル(Michael)反応]   
   3.2 PMR(in situ Polymerization of Monomer Reactant)
    [コラム6-2:ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応とアルダー・エン(Alder Ene)反応]
   3.3 熱硬化ポリイミドの開発技術

 第7章 宇宙用ポリイミド材料
  1. MLI膜(熱制御ポリイミド,熱保護膜)
  2. 宇宙帆船IKAROS(熱可塑ポリイミド)
  3. 原子状酸素耐性ポリイミド


 第8章 ポリイミド熱制御材料
  1. 多孔化による断熱材
  2. グラファイト化による高熱伝導


 第9章 低誘電率ポリイミド
  1. 低誘電率化への要求とポリイミドの高分子設計のアプローチ
  2. フッ素高含量置換基の導入
  3. 整列しにくい構造の導入
  4. かさ高い置換芳香環構造の導入
  5. かさ高い脂環族構造の導入
  6. ナノ空孔体(nanofoam pored polyimide)

   [コラム9-1:次世代移動通信システム5G対応の低誘電率,低誘電損失ポリイミド]

 第10章 透明ポリイミド
  1. ポリイミドの透明化設計
  2. 屈折率の制御
  3. 有機ELフレキシブルディスプレイ基板への応用

   3.1 技術開発の経緯
   3.2 透明性と低CTE化
   3.3 透明性と耐折性(靭性)
   [コラム10-1:分子複合材料]
   [コラム10-2:ブロック共重合体の合成]

 第11章 液晶配向膜 
  1. 液晶配向膜とは
   [コラム11-1:液晶]
  2. 液晶配向膜の基本特性
   2.1 配向能としてのプレチルト角
    2.1.1 ラビング工程
    2.1.2 ポリイミドとプレチルト角
   2.2 液晶配向膜の電気的性質
    2.2.1 電圧保持率と残留DC電圧

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