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環境対応型塗料・塗装技術
環境負荷低減に貢献する、塗料設計/塗装技術開発と研究動向
VOC/CO2排出量削減、塗料・塗装系廃棄物の適切処理と減量、天然由来成分利用
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発刊日
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2022年3月23日 |
体 裁 |
B5判並製本 233頁 |
価 格 ( 税込 ) |
55,000円
定価:本体50,000円+税5,000円
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発 行 |
サイエンス&テクノロジー(株)
送料無料 |
I S B Nコード |
978-4-86428-278-9 |
C コ ー ド |
C3058 |
低酸素社会の実現/大気汚染対策等、環境問題への対応が急がれる今、
環境負荷の少ない製品・技術の開発と拡充に向けて考えるべきこと、すべきこと
原材料の調達から廃棄・リサイクルまで
トータルで環境負荷を見つめ直すための、塗料・塗装関連技術を解説
▼水性塗料 [溶剤型塗料からの置き換えが加速]
○ 水性塗料の更なる高機能化
塗装作業性の向上や添加剤による塗料安定性への影響
○ 有機溶剤から水に溶媒を変換することで直面する問題とその解決方法をおさらい
○ 水性塗料用樹脂の水性化技術と硬化塗膜に関係する架橋反応
▼粉体塗料 [VOC削減以外のメリットも多数]
○ 回収粉の再利用、耐久性に優れた塗膜形成を叶える粉体塗料
○ 粉体塗料の課題と言われてきた色変え・清掃/小ロット対応などへの解決
▼塗装技術 [ゼロカーボンへの対応]
○ VOCとCO2排出量の削減を叶える乾燥技術と適合する塗料開発への指針
○ 塗装ラインの省エネルギー化:排熱回収システムと自動車塗装工程での採用事例
▼廃棄・3R [廃棄コストの削減も、環境対応も]
○ 塗料・塗装系廃棄物の適切な分類と処理方法
○ 作業環境の改善と衛生管理に:塗装ブースの臭気軽減策
○ 部品メーカ工場が実践した水性塗料廃棄物減量への挑戦事例
○ 塗装リユースシステムの開発と普及への課題と展望
▼天然由来成分の利用、生態系への配慮
○ 漆がもたらす美観に再注目。バイオ原料塗料開発が加速する中、学びが多い漆とその工業利用
○ 水性塗料でも人体への影響が。新築校舎における空気汚染例とその調査結果
○ 水性塗料の不適切な処理による河川の汚濁、水質事故分析事例
○ 海洋生物の生態系への配慮と船底防汚塗料開発:防汚剤の探索と塗料への採用
<目次概要>
第1章 工業塗装における環境負荷とSDGsを目指す対策
第2章 日米欧中におけるVOC規制の概要と差異
第3章 塗料設計・塗装プロセスからの環境対応策
1節 水系化技術とトレードオフ関係の解消に向けて
2節 粉体塗料と更なる高性能化と技術課題への取り組み
3節 塗装/塗膜形成過程と省エネルギー化
2030年の温室効果ガス削減目標、そして2050年カーボンニュートラルに向けて、多くの企業がそれら共通課題へと取り組んでいます。塗料・塗装業界においても同様であり、環境保全意識や社会的要請の高まり等から、環境対応製品・技術の開発や普及へと尽力されています。
これまでも揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制に向けて、大気汚染防止等の観点から、溶剤形塗料の置き換えが進められてきました。具体的には、塗料の水性化・粉体化・ハイソリッド化、塗着効率の向上、塗装工程の見直し等が挙げられると思います。
その結果、たゆまぬ努力によって、VOC削減を図りながら塗装作業性や塗膜品質の向上をも叶える製品もたくさん登場しました。とはいえ、中には「塗料水性化によってVOCは削減できたものの、溶媒の特性上、乾燥工程におけるCO2排出量が増加した」というケースも見受けられます。「あちらを立てればこちらが立たぬ」ではなく、この場合はVOC対策とCO2対策が両立できる、つまりVOCとCO2両方の削減が可能となることこそが真に求められているのではないでしょうか。
いち工程だけでなく、トータルでみたときにも環境保全に寄与すること、
工業利用に適した製品品質・安全性等を確保していること、
そして、ユーザや作業者にベネフィットを与える技術・製品であること――
本書は上記3つの視点から、企画構成いたしました。
求められていることは多くその一つ一つに障壁がありながらも、その問題解決には多くの道筋があると思います。
企業として、事業戦略として、担当製品・技術としての方向性のもとに、よりよい技術・製品を提供するべく日夜奮闘されている皆様にとって有意義な1冊でありたいと願うばかりです。
(本書企画担当)