ANNEX 11 COMPUTERIZED SYSTEMS邦訳


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ANNEX 11 COMPUTERIZED SYSTEMS(1997年版)の翻訳です。

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ANNEX 11 COMPUTERISED SYSTEMS(1997年版) 邦訳

原則

保管、物流、品質管理を含む製造システムにコンピュータ化されたシステムの導入はEUGuide to GMPに記載された関連原則を遵守する必要性に変わりはない。マニュアルベースの作業をコンピュータ化する際に、結果として製品の品質や品質保証を劣化させてはならない。オペレータの関与が減少することにより、以前のシステムの失われる面に関するリスクについて考慮すること。

要員
  1. キーとなる要員とコンピュータシステムに関連する要員との間で密に協力し合うことが重要で ある。 責任者は、コンピュータを使用する責任範囲内でシステムの管理及び利用についての適切なトレーニングを受けなければならない。 このトレーニングでは適切な専門知識を利用可能にすることを保証することや、コンピュータシステムの設計、バリデーション、設置、及び操作等に関してのアドバイスを提供することを含まなければならない。
バリデーション
  1. バリデーション必要性の範囲は、システムの利用目的や、そのバリデーションが予測的か回顧的か、斬新な要素が用いられているか否かなど多くの要因に依存する。バリデーションはコンピュータシステムの完全なライフサイクルの一部として考慮すべきである。このサイクルには、計画、仕様、プログラミング、テスト、作動、文書作成、操作、モニタリング、変更等の各段階がある。
システム
  1. 関係ない要因によりシステムが妨害されないよう、機器が適切な状況で設置されるよう配慮を払うものとする。
  2. システムについて詳細な記述を作成し( 該当する場合ダイアグラムも含む)、最新に保つものとする。システムの原則、目的、セキュリティの方法、適用範囲、およびコンピュータの利用方法および他のシステムやプロシージャとの相互関連の仕方について主な特長を記述している。
  3. ソフトウェアはコンピュータ化システムの重要要素である。ソフトウェアのユーザは正当な手順を踏んでそのソフトウェアが品質保証のシステムに合致して作成されていることを保証する。
  4. システムは、場合により、正確な入力とデータ処理のビルトインチェックを備えている。
  5. コンピュータを使用するシステムは使用前に、徹底的にテストされ、期待される結果を達成できることを確認する。手動システムから置き換える場合、テストとバリデーションを一部実施するとき、この2つのシステムを平行して稼動する期間がある。
  6. データはその作業の権限をもつ者によって入力され、修正される。認可されていない入力を防ぐ良い方法には、キー、パスカード、パーソナルコード、およびコンピュータ端末のアクセス制限がある。パスワードの変更を含むデータの入力や修正の権限の発行、キャンセル、変更を定義したプロシージャを備える。権限をもたない者によるアクセスをシステムに記録することが考慮されるべきである。
  7. 重大なデータが手入力されているとき( 例えば投与期間の成分の重さやバッチ番号) 、作成した記録の正確性をもう一度チェックする。このチェックはセカンド・オペレータあるいはバリデートされた電子的手段により行ってもよい。
  8. システムは重要なデータを入力し、確認するオペレータの身元を記録する。入力されたデータを修正する権限は指定された者に限定される。重要なデータ入力の変更には権限が必要で、変更の理由も記録される。すべての入力と修正を完全に記録する機能をシステムに備えることが(「監査証跡」)考慮されるべきである。
  9. システムやコンピュータプログラムの変更は、バリデーション、チェック、承認および変更の実装についての規定を定義したプロシージャに従って必ず行う。その変更は関連するシステムに責任を持つ人物の承認を得て実行され、その変更は記録される。重要な修正はすべてバリデートされる。
  10. 品質監査の目的に対し、電子的に保管されたデータのコピーを明確に印字することができる。
  11. データは、ガイドの4.9項にしたがって、故意・偶然的な損傷に備え、物理的、電子的手段で保護される。保管されたデータはアクセス容易性、耐久性、正確性をチェックされるコンピュータ機器あるいはそのプログラムの変更が提案された場合、使用されている保管メディアに、適度な頻度で上記のチェックを行う。
  12. データは定期的にバックアップして保護する。バックアップデータは別の安全な場所で必要な期間保管する。
  13. 故障の場合でも運用の必要があるシステムは、それを十分補うことのできる代替的手段をもつ。その切り替えにかかる時間は、その手段を利用する緊急性に応じる。例えば、リコール関連の情報はすぐ通知できるようにしなければならない。
  14. システムフェイルや故障の場合に適用するプロシージャは定義されバリデートされている。すべてのフェイルや是正措置が記録される。
  15. エラーを記録し、分析するプロシージャを作成し、アクションを正確に取れるようにする
  16. 外部関係者がコンピュータサービスを提供するときは、公式の同意書で外部関係者の責任を明確に述べる。(7章を参照)
  17. コンピュータシステムを用いて販売や供給にバッチをリリースするとき、システムは適正な人物にのみバッチをリリースさせ、その人物の身元を特定し、記録する。