第1章 官能検査を行う五感について
1. 五感への刺激から脳で認知へ
2. 視覚の特徴
3. 触知覚の特徴
4. その他の感覚の特徴
第2章 官能検査(官能評価)とは
1. 官能検査(評価)とは
2. 官能検査の目的
3. 「心地」を数値化するには
第3章 JIS規格にもとづく官能検査の実施方法
1. 官能検査のJIS規格
2. 官能検査方法の選定に役立つ各試験法の長所と短所
2.1 順位法
2.2 一対比較法
2.3 SD 法
3. 評価者(パネル)の選定基準と感度試験
3.1 評価者(パネル)について
3.2 パネルの判定能力をどのようにして検定するか?
3.2.1 一巡三角形と一意性の係数
3.2.2 一致性の係数
4. 評価形容語の選定について
5. 評価試技について
6. 官能検査を行う検査室と環境条件
7. 予備実験の官能検査の目的と効果
第4章 経験がものをいう実施ノウハウ・注意点
1. なぜ予備実験を実施すべきか
2. 評価試技の重要性
3. 評価形容語の数,官能検査時間の上限の目安はあるか
4. 最初に提示する評価基準品の決め方
5. 評価者の年齢と性別について
6. 評価者数は何人くらいが良いか
7. 評価者が幼いとき(小学生など)の工夫
8. 官能検査終了後に評価者へたずねておくべきこと
9. 評価形容語の集め方
10. 評価形容語を官能検査用紙に載せるときの注意点
11. 「ざらざらした」の反対形容語は?
12. 評価尺度は何段階で設けるべきか
13. 評価者から評価形容語の意味を聞かれたら
14. 評価形容語の意味が伝わりにくいときの対処法
15. 試料の置き方および提示順序
16. 試料を見て触るか,見ないで触るか
17. 試料のなで方や触り方を定める
18. 試料が10 点以上のとき
19. 実験環境(個室・円卓)の使い分け
20. 試料数が2 種類のときも一対比較法を用いるか?
21. 官能検査から求めた多数のデータをまとめるには
22. 判定基準の妥当性の確かめ方
23. 回答データの精度を落とす盲点
第5章 官能検査実施例
第1 節 店舗における市場調査(評価形容語の選定,試技の選定)~アパレルウエアの「着心地」の数値化~
はじめに
1. 上衣の「着心地」官能検査方法
2. 人体と上衣間における衣服圧の測定
3. 上衣の試技時における筋活動量測定
4. 上衣の「着心地」評価結果と衣服圧・筋電図との関係
第2 節 展示会来場者(一般消費者)による官能検査(性別や年齢の影響)~自動車表皮布の「手触り感」の数値化~
はじめに
1. 自動車シートに関するアンケート調査
2. 表皮布の「手触り感」評価形容語
3. 「手触り感」官能評価方法および結果について
4. 表皮布の物理特性の測定
5. 表皮布の物理形容語評価結果と表皮布の物理特性との相関関係
6. 「手触り感」の予測式の提案
7. 表皮布の「手触り感」と自動車シートの「座り心地」との相関関係
第6章 近年の官能検査活用における方向性 ~機器測定で得た物理特性と「心地」との関係~
1. 「硬軟感」に関連する圧縮特性
2. 「粗滑感,乾湿感」に関連する摩擦特性
3. 「ストレッチ感」に関連する引張り特性
4. 「動きやすさ」に関連するせん断特性
5. 「動きやすさ」に関連する曲げ特性
6. 「温冷感」に関連する温熱特性
第7章 官能検査でよく用いる用語
○ 一意性の係数 ζ
○ 一致性の係数 W
○ 一致性の係数 u
○ 一対比較法
○ イメージ形容語
○ 因子分析
○ 浦の変法
○ 感覚尺度
○ 官能検査(官能評価)
○ 危険率
○ 組み合わせ効果
○ シェッフェの原法
○ 試技・評価試技
○ 刺激閾
○ 重回帰式
○ 重回帰分析
○ 主効果
○ 主成分分析
○ 順位法
○ 順序効果
○ 精神物理学(psychophysics)
○ 精度
○ 絶対判断
○ SD(セマンティック・ディファレンシャル)法
○ 専門家パネル
○ 単極尺度
○ 中心化傾向
○ 特徴形容語
○ 中屋の変法
○ 2点嗜好法
○ 認知閾
○ 芳賀の変法
○ パネル(評価者)
○ 評定平均点
○ 疲労
○ 布の風合い
○ 物理形容語
○ 分散分析
○ 弁別閾
○ 平均嗜好度
○ マグニチュード推定法
○ 末端効果
○ 両極尺度
○ 有意差検定
付録章 官能検査実施例と使用した検査用紙
・ SD法
・ 一対比較法
あとがき
信州大学 繊維学部 先進繊維・感性工学科 准教授 金井 博幸 氏