外部対照群としてのリアルワールドデータ利活用事例
~ROZLYTREK®(Entrectinib)、パージェタ(ペルツズマブ(遺伝子組換え))、ハーセプチン(トラスツズマブ(遺伝子組換え))、ビルテプソ®(ビルトラルセン)
レジストリデータ利活用事例(米国でのタクロリムス肺移植適応追加)
~適応追加の経験,及びデータの信頼性に関するFDA見解
~タクロリムスのデータの質に関するFDA見解
(日米欧)承認申請における参考情報としてのリアルワールドデータ活用
~欧米の活用事例詳細
・ALYGLO:人種ごとの有病率
・CASGEVY:安全性評価における参考情報
・OMISIRGE:サンプルサイズ算出のための推定値算出
・OGSIVEO:人種ごとの有病率
・TEPKINLY:有効性評価の参考情報
・APRETUDE:安全性評価の参考情報
・LITFULO:安全性の参考情報
~申請資料概要の記載方法
【2.7.3 臨床的有効性の記載事例】、【2.5.1 製品開発の根拠の記載事例1】
【2.5.1 製品開発の根拠の記載事例2】、【審査結果報告書の記載事例】
【「2.7 臨床概要」の市販後データの記載事例】、【「2.5 臨床に関する概括評価」の安全性の概括評価の記載事例】
治験へのリアルワールドデータ活用に向けた企業の展望
・臨床開発のスピード向上に寄与する使い方
・臨床試験の成功確率の向上に寄与する使い方
・医薬品開発の効率化に寄与する使い方
臨床試験等決定に向けた参考情報としてのリアルワールドデータの利活用
PV・MA部門におけるリアルワールドデータの解析と活用
その他のリアルワールドデータ利活用
~医療経済評価への活用、ウェアラブルデバイスの治験活用
PMDA では,MIHARI project において,医療情報データベースを活用した医薬品評価を積極的に実施しており,現状では,主に匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)とMIDNET®を活用した薬剤疫学的評価を行っている。
PMDA では,これら各データベースの特徴を踏まえて,調査目的に応じてデータベースを選択し調査を実施している。最近の調査事例についてご紹介したい。
近年,承認申請に用いるデータの信頼性は,審査に用いられるデータとソースデータを照合するといった従来型の出口管理ではなく,質に関わる重要な要因に焦点を当てて計画で質を管理する(Quality by Design)ためのクオリティマネジメントシステム(QMS)により行われることが主流である。
今回の法改正でNDB 等の公的データベースと連結可能となり,データベースを用いた研究で可能な研究目的の幅が大きく広がることが期待される。NDB を用いることにより複数の医療機関にまたがる診療行為のレセプトを評価できることに加えて,死亡データが利用できるようになれば,重要なアウトカムの研究が可能となる。
また,次世代医療基盤法下の医療機関データでは,検査値に加えてテキストデータの活用により,多くのアウトカムが取り出せる可能性がある。すでに海外ではそのような研究が多数行われており,薬剤の有用性比較に用いられている。
リアルワールドデータ(RWD)の最も発展的な活用方法は,外部対照群としての使用であろう。ICH-E8としては,同時対照を原則とし,外部対照は例外的な状況下でしか使用できないとしているが,希少疾患や小児など対象患者が少なくランダム化による同時対照が困難な場合は,まさに外部対照が使用される状況であろう。
さらに,ICH-E8(R1)では,試験データとして,その試験のために収集されたデータ(一次データ収集)に加えて,多様なデータソースとして電子診療記録やデジタルヘルステクノロジー等から取得したデータや外部データソース(疾患及び薬剤レジストリ,医療保険請求データ等)にも言及しており,臨床試験の外部対照群として電子診療記録やレジストリといったRWD を利活用できる環境が,着実に整えられつつある。
医薬品の薬事承認におけるRWE活用に関して,米国のScientific Registry of Transplant Recipients(SRTR)のレジストリデータを主たる有効性及び安全性データとして,米国でタクロリムスの肺移植の追加適応症を2021年7月に取得した。
本邦において承認申請にRWD/RWEを活用する外部環境は整いつつあるものの,実際の活用は思うように進んでいない。具体的な活用事例を知ることはRWD/RWE の利活用を検討する者にとって有用である。米国での事例であるが,レジストリデータを承認申請の主要な有効性及び安全性データとして利活用した,タクロリムスの肺移植適応追加の事例が本邦でのレジストリデータなどのRWD/RWE の承認申請への利活用促進の一助になれば幸いである。
従来,臨床疫学系や薬剤疫学系の論文などが根拠として記載されてきたが,リアルワールドデータ(RWD)の活用が進められる中で,参考情報として活用される事例が増えてきている。本章では,海外(欧米)及び国内の承認申請における参考情報としてのRWD 活用事例を紹介する。また,国内事例を参考に,承認申請書に添付すべき資料(申請資料概要)の記載方法について考察する。
本章では治験に関連したリアルワールドデータ(RWD)の活用について,企業の立場から検討事例を説明する。
具体的には,【1】臨床開発のスピード向上に寄与する使い方があるか,【2】臨床試験の成功確率の向上に寄与する使い方はあるか,【3】医薬品開発の効率化に寄与し開発コストを削減できるかである。
少しでも早く多くの患者に医薬品を提供できるようにするためには,新しい治療法の確立のため迅速に臨床試験を完了することが不可欠であり,そのことを医療関係者や一般市民が共通の課題として認識し,一緒に解決することが必要である。本章ではこの3つの観点に焦点を当てて,今後に期待するリアルワールドデータの活用方法を紹介したい。
<PV>
令和5年6月には,事務連絡「「医薬品安全性監視における医療情報データベースの活用とその事例」について」が発出され,ここではPV 部門におけるRWD の活用が製造販売後DB 調査での利用だけに限定されるものではないことが強調されている。では,製造販売後DB 調査以外にどのような活用があるだろうか。
<MA>
具体的にどのような研究テーマにおいてRWD の活用が特に相性が良いだろうか。事例を挙げて考察してみよう。