[書籍] ―最新の当局要求・現場の実情をふまえて解説― グローバル開発における 開発段階に応じた適切な治験薬(治験用原薬)QA
治験薬の品質保証において、日米欧の3極では技術的要求は同等ですが、日本では治験薬が法的に医薬品として扱われないなど運営上の違いがあります。重要なのは形式的な違いよりも、市販医薬品とは異なる治験薬の品質保証の目的を理解することです。
治験薬製造は開発に伴って方法が変更されデータが蓄積されるため、「ハード」(製造設備・機器等)と「ソフト」(基準書・手順書・品質システム等)の両面で開発段階に応じた適切な管理が求められます。
開発段階のCMC戦略として"Phase Appropriate CGMP"の考え方が共通概念となっていますが、品質規格などの細部は化合物特有のため共通化が難しく、各社の戦略は様々です。分析法バリデーションにおいても開発段階に応じた内容変更が認められていますが、詳細な手順は各企業の判断に委ねられています。
治験薬製造施設の査察については情報が少なく、監視・監督の実施状況も三極間で異なります。欧州はGMP査察とGCP査察を頻繁に実施する一方、FDAはGLP査察やGCP査察に重点を置く傾向があります。
抗体医薬品開発ではグローバル展開を前提としたQA対応が重要で、特に米国QAチームの合理的な考え方に基づく改善が効果的です。
治験薬の品質保証は開発段階に応じた適切なアプローチが求められており、グローバル展開を見据えた効率的かつ効果的な品質保証体制の構築が今後ますます重要となります。
価格:
60,500円(税込)