タイプライターイクスキューズ（Typewriter Excuse）

『真の記録は紙の記録である。我々はコンピュータを単に記録を作成するために使っているに過ぎない。』 というもの。
米国では、Part1１査察時に、このような”Excuse”を行って、 Part1１査察適用を逃れようとした。

これに対するFDAの見解は、
『たとえば電子記録が作成されない場合のように、コンピュータが本当にタイプライターのように使用されている時のみ、Part 11は適用されない。』
『プリントアウトを本質的に信頼することはできない、なぜならプリントアウトにはデータの再構築または生データから再現するために必要なメタデータ情報を含んでいないからである。 』
などであった。

日本版ER/ES指針に対するパブリックコメントの回答（No.2）によると、「ただし、紙に印字した後の電磁的記録の取り扱われ方により、適用範囲外となる場合も考えられます。」とある。
紙に印字した後の電磁的記録の取り扱われ方とは、

1. 電子的記録を削除し、再利用できなくする。（1 Time Printing）
2. 変更不可能な媒体（CD-R、DVD）に移行させる。
3. SOPで規定し、当該電子的記録を紙上で承認後、再利用しない。

などが考えられる。
すなわち問題点は、電子的記録をCopy & Pasteし、他の資料等に引用する場合、紙上での承認後に変更（改ざん）されていないことを保証しなければならないのである。