Part11パブリックミーティング補足情報の翻訳


お役立ち翻訳


Part11パブリックミーティング補足情報の翻訳です。

*万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。
 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。

Part11パブリックミーティング補足情報について

I. 背景

Part 11とは、電子記録電子署名、電子記録になされた手書き署名を紙の記録及び紙になされる手書き署名と同等であるとFDAが考慮する基準を提供する。(1997年3月20日62 FR 13430)。すべてのFDAプログラム領域に適用するそれらの規制は、公衆衛生を保護するFDAの責任に矛盾しないで、電子技術の使用を最大限りようできるように意図された。

1997年8月にPart 11が発行して後、その範囲、解釈と規制の実施に関して、業界、請負業者、FDAの間で重要な議論が起こった。すなわちPart 11要求事項の一部の解釈では以下の懸念が挙げられた:(1) 電子技術の使用をある意味で不必要に制限する。これは規則を発行する際にFDAの表明した意図と一致しない、(2)コンプライアンスにかかるコストが、規則の起草されたときの予測以上に著しく増加する3)イノベーションや技術的進歩を阻み、公衆衛生にそれほど利益を与えない。特にバリデーション、監査証跡、記録保持、記録コピー、レガシーシステムに対するPart 11要求事項に関する懸念が持ち上がった。

FDAは現在ヒト用医薬品、動物薬、及び生物製剤のCGMPイニシアチブをとっているが、その結果として、Part 11がすべてのFDA規制対象製品に適用されることからPart 11の再検討を開始した。FDAは最近、2003年9月5日(68 FR 52779)発行の「Part 11,Electronic Records; Electronic Signatures-Scope and Application」(Part 11ガイダンス)と題した業界向けガイダンスで、Part 11に関する現在の考えを表明した。Part 11ガイダンスの中で、FDAは再検討の結果としてPart 11を改訂するための規則作成を見込んでおり、またPart 11再検討するとともに、規則の適用範囲の解釈を狭めることを説明した。Part 11の適用範囲の解釈を狭めることで、これまでよりPart 11の対象とみなされる記録が少なくなるということである。引き続きPart 11の対象となる記録に対し、バリデーション、監査証跡、記録保持、記録コピーのPart 11要求事項に関しては、part 11ガイダンスに記載した方法によりFDAの判断で行うことを意図する。またPart 11ガイダンスに記載した状況にあり、Part 11の発効日より前に稼動していたシステムに対するPart 11要求事項すべてに関してもFDAの判断で行うことを意図する。Part 11ガイダンスに示したように、FDAはすべてのプレディケートルール要求事項を執行する[脚注1]。

21Part 11ガイダンスに示したように、連邦食品・医薬品・化粧品法、公衆保健サービス法、及びFDA規制(Part 11以外の)で定められた、土台となる要求事項を「プレディケート ルール」と呼ぶ。

U.パブリック・ミーティングの目的

パブリック・ミーティングの目的は、このドキュメントで概説したトピックについて規制対象の業界と関係者等から情報を得ることである。関係者には、FDAの規制対象となる製品の製造業者、ソフトウエア製品のサプライヤ、規制対象業界のコンサルタント、及び消費者グループが含まれるがこれに限定されない。

V.FDAによるPart 11再検討の目的

FDAPart 11再検討には以下の目的が含まれる;

  • 不必要な管理やコストを防ぐ一方、規則の目的を保持する。
  • Part 11の適用範囲を明確にする(例えば、Part 11と他のFDA規制はどのように関連するか)
  • Part 11によって記録のセキュリティ、信憑性、完全性のレベルを適切にし、イノベーションや技術的進歩の促進を保証する。
  • これらの目的を更に進めるために、FDAは以下の事柄の達成に努めている
  • Part 11で規定や明細化する必要のない領域を特定する
  • 記録及び記録保持の要求事項に関して、Part 11と他のFDA規制(プレディケート ルール)の関連性を明らかにする。
W.協議及びコメントのトピック

FDAは、公衆の情報を求め、Part 11の見直しに役立てたいと考える。。FDAは、Part 11の適用範囲、リスクベース アプローチ、バリデーション、監査証跡、記録保持、記録コピー、およびレガシー システムに関しての論議を求める。公衆ミーティングでのコメントを求め、以下の具体的な問題点や論点を提示する。

A. Part 11 Subpart A- 総則

Part 11のSubpart Aのコンテキストにおいて、諸関係者に対し、以下の事柄について検討を望む。

  1. Part 11ガイダンス ドキュメントで一部の記録のみがPart 11の適用範囲に入ることを明らかにした。例えば、その適用範囲を狭義に解釈すると、プレディケート ルールにおいて維持管理が要求され、またはFDAへの提出が必要な記録であり、かつ紙形式の代わりに電子形式の記録の使用を選択した場合はPart 11が適用されるであろう、とFDAは述べた。一方、コンピュータを使用して電子記録を紙にプリントアウトし、その紙の記録が当てはまるプレディケート ルールのすべての要求事項を満たし、しかもその紙の記録によって規制対象の作業を行う場合、FDAは一般的に§11.2(a)及び(b)のもとで「紙の記録の代わりとして電子記録を使用する」とはみなさない。このような場合、紙の記録を作成するためにコンピュータシステムを使用することにPart 11は適用されない。FDAが関心をもつのは、Part 11ガイダンスで論議されているPart 11の狭義の適用範囲についてのFDAの解釈に対するコメント、及びそのガイダンスに記載した狭義の解釈を実施するためにPart 11を改訂すべきかどうかについてのコメントである。
  2. FDAPart 11中の定義を改訂することにより狭義のアプローチを明らかにできるかついてのコメントおよびそのような改定についての提案に関心を持っている。
  3. Part 11ガイダンスで述べている方法で、バリデーション、監査証跡、記録保持、記録コピーのpart 11要求事項を遵守させるために強制措置を取る意図はないことをPart 11ガイダンスにおいてFDAは表明した。FDAが強調するのは、記録はその基礎となるプレディケート ルールに従って維持しまたは提出しなければならず、そして当局はそのようなプレディケート ルールを遵守しない場合、規制措置を取ることがあるということである。FDAはプレディケート ルールによって要求され、したがってPart 11対応が要求される記録について、Part 11で明らかにする必要性についてのコメントに関心を持つ
B. Part 11 Subpart B- 電子記録

Subpart Bのコンテキストにおいて、FDAは適切で合理的な記録保護の管理を保証する方法についてアイデアを求めることを考えている。適切な根拠があれば、別のアプローチで管理を実施してもよいと一般的に考えられている場合がある。FDAは、例えばリスク評価を用いるなど、別の管理を使用する決定をどのように行うについてのアイデアを募りたく考えている。諸関係者に対し以下の事柄について検討を望む。

  1. 先に述べたように、バリデーション、監査証跡、記録保持、記録コピーのPart 11要求事項を含むPart11ガイダンスに記載された状況のもとで、FDAが強制措置をとる意図がない4つの領域をPart 11ガイダンスでは明らかにした。Part 11ガイダンスは更に、バリデーション、監査証跡、記録保持、記録コピーに関するPart 11要求事項を実施するかどうかの判断は、正当性があり文書化されたリスク評価とシステムが製品の品質と安全性および記録の完全性に影響を与える可能性に基づいて行うよう推奨する。Part 11ガイダンスで詳述したリスクベース アプローチの概念を具体化するところがPart 11の他の領域にあるかどうかについてのコメントに関心を持つ(例えば、稼動システム及びデバイスチェックを必要とするもの)。
  2. Subpart Bに関するプレディケート ルール要求事項をどのように満たすことができるかについて更に明らかにする必要があるか?
  3. 現行のPart 11のもとで、維持する電子記録に適用される管理は、またFDAに提出する電子記録にも適用される。FDAに提出する電子記録の要求事項はプレディケート ルール要求事項を満たすために維持する電子記録とは別にすべきか?
  4. Subpart Bにおいて電子記録管理はオープンシステム(システムアクセスがそのシステム上の電子記録の内容に責任を持つ者により管理されない環境)とクローズドシステム(システムアクセスがそのシステム上の電子記録の内容に責任を持つ者により管理される環境)で区別される。Part 11は今後もオープンシステムとクローズドシステムを区別するべきか?

Subpart Bの個々の管理について要請するコメントは以下の通りであるする。

  1. Part 11ガイダンスは同ガイダンスで記載した方法でFDAが実施を選択することを意図した4つの領域の1つとしてバリデーションを明らかにした。システムがバリデーションのプレディケート ルール要求事項を満たしていることを保証するためにバリデーション規定は§11.10(b)[訳注1]のもとで保持すべきか?
  2. Part 11ガイダンスは同ガイダンスで記載した方法でFDAが実施を選択することを予定した領域として記録保持及び記録コピーの要求事項を明らかにした。記録コピー及び記録保持に関して記録の内容及び意味を保つために必要と思われる関連プレディケート ルール要求事項はあるか?どのような要求事項で記録のセキュリティ及び完全性を保ち、また記録が当局による査察、レビュ、コピーに適切であることを保証するか?
  3. 監査証跡要求事項には、不正な記録の作成、修正、削除を抑止し、予防し、文書化するよう設計し実装されたセーフガードを含むべきか?
  4. Section 11.10(k)はシステムのドキュメンテーションに対し適切な管理を必要とする。Part11の発効後の科学技術の進歩に照らし合わせ、システムのソフトウエア及びハードウエア全体のためのコンフィギュレーション管理、ドキュメント管理のような概念を具体化するようPart11を改訂すべきか?
C. Part 11 Subpart C-電子署名

Subpart Cのコンテキストにおいて、諸関係者に対し以下の事柄について検討を望む:Section 11.10(d)はシステムアクセスが認可された個人のみ限定することを要求するが、認可されていない個人がシステムにアクセスする場合のセキュリティ違反の扱いについて対処していない。それらのセキュリティ違反が起こる場合の調査、フォローアップをPart 11で対処すべきか?

D. コメントに対する追加の質問

更に、以下の質問についてのコメントを求めたい。

  1. このドキュメントで挙げた課題に基づきPart 11を改訂すると得られる経済的効果は何か?
  2. 特にプレディケート ルールで明らかにされていない記録の場合、どの記録がプレディケート ルールにより必要とされているかをPart 11で明確にする必要があるか?その場合、どのように区別するか?
  3. どのような方法でPart 11はイノベーションを阻むのか?
  4. 公衆衛生保護というFDAの必要性に応じたイノベーションや技術的進歩を促進するのにPart 11に見込まれる変更は何か?
  5. 電子記録の完全性と信憑性のレベルが適切であり、電子署名が正当に拘束力を持ち本物であることを保証できるリスクベース アプローチにはどんなものがあるか?
  6. Part 11ガイダンスはPart 11の発効日の1997年8月20日より前に稼動していたシステム(レガシー システム)のすべてのpart 11要求事項に関して執行はFDAの判断による(Part 11の再検討中)ことを発表した。1997年8月時点で使用したレガシー システムへの修正に関する関係者の懸念事項は何か?リスクの軽減及び適切な管理によりレガシー システムに関する懸念を取り払うことができるか?
  7. Part 11は記録変換に対処すべきか?
  8. Part 11発行以降、利用可能な新技術により追記、修正、削除すべきPart 11規則はあるか?

用語集

QMS構築支援

FDA査察対応