電子が正か紙が正か 潟Cーコンプライアンス


電子が正か紙が正か

電子が正か紙が正か

筆者がコンサルテーションを実施する中で、以下のような主張を多く聞く。
「当社では、責任者が記録を十分に精査して、署名(捺印)を行っている。したがって、紙が正(原本)である。」
この主張は、性善説に基づくものである。
特に欧米の規制当局の査察は、性悪説をもとに実施される。
もし当該企業で、財政的な問題等が発生した場合、経営者(責任者)が、不正を指示することになるからである。
過去に、大阪の老舗料亭で食材の使いまわしがあり名古屋では鰻の産地偽証があり、東京では期限切れの牛乳を使用して菓子が製造されていた。
結果的にこれらの企業は倒産したが、すべて不正は経営者が企んだものであった。
一般に担当者は不正を行わない。なぜならば、不正を行ったとしてもメリットがないからである。

タイプライターイクスキューズ

かつて米国でこんな議論があった。
製薬企業が次のように主張した。
「真の記録は紙の記録である。我々はコンピュータを単に記録を作成するために使っているに過ぎない。」
つまり、当該コンピュータは、タイプライターのように使用しているので、Part11の対象ではないという主張である。
この主張を「タイプライターイクスキューズ」と呼んでいる。
FDA はこれに対し、「たとえば電子記録が作成されない場合のように、コンピュータが本当にタイプライターのように使用されている時のみ、Part 11は適用されない。」と見解を述べた。
タイプライターとコンピュータでは、大きな相違点があるためである。
タイプライターの特徴は「One Time Printing」である。つまり、一度しか印字できないのである。
これに対し、コンピュータは電子記録を保持するため、何度でも印刷することができる。
このことを利用して、電子記録を改ざんし、再印刷した上で、バックデートで署名するといった不正が可能になってしまうのである。
当時Part11を主宰していたPaul Motiseは、以下のように述べている。
「プリントアウトを本質的に信頼することはできない。なぜならプリントアウトにはデータの再構築または生データから再現するために必要なメタデータ情報を含んでいないからである。」
つまり、紙媒体上には監査証跡がなく、改ざんされた記録であるかどうかが確認できないという事である。
気を付けなけらばならないことは、"ハイブリッドシステムは、署名(記名・捺印)を紙媒体化したのみであり、記録は電子である。"という事である。
ハイブリッドシステムの場合、規制当局は査察時に、記録を電子で調査し、署名を紙で確認するのである。
その目的は、改ざんの発見である。
したがって、紙媒体で承認(署名)したからといって、けっして電子記録を消去 してはいけない。

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2. 適用範囲 
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5. データインテグリティの原則 
6. データガバナンス 
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6.1.1 教育およびコミュニケーション 
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6.1.3 技術およびITシステム 
6.1.4 データガバナンス 
7. 手順書等 
8. 参考 
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【目次】
1. 目的 
2. 適用範囲 
3. 用語の定義 
4. 役割と責任 
5. 啓発活動 
6. 教育訓練 
7. 関連する手順書の改訂 
 7.1 リスクマネジメント 
   7.1.1 リスクの検討 
   7.1.2 リスク低減策の検討 
   7.1.3 リスク低減策の実施 
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   7.2.1 データの作成 
   7.2.2 データの処理 
   7.2.3 データのレビュ・報告・使用 
   7.2.4 データの保管・維持 
8. コンピュータシステムの見直し、導入 
9. 監視・測定 
10. 監視・測定 
11. 記録の保管 
12. 参考 
13. 付則  

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