[書籍] データインテグリティにおける 当局要求・不適合事例とその対策
<「【第2部】データインテグリティの基本的事項・留意点」より抜粋>
......各国から相次いでデータインテグリティに関するガイダンスが発行され、一時はパニックのような状況であったが、ここにきてガイダンスの発行も一段落している。しかし、FDAから国内製薬企業に対して警告文書が相次いで発行されるなど、決して油断はできない。データインテグリティに対する対応はこれからである。各国のガイドラインを鳥瞰し、どの要件が自社にとって重要か、不足している取り組みは何かを評価するところから始めなければならない。これらの取組みは各ガイダンスの要件、AMGENやNOVARTISの取組み、あるいはFDAの警告文書などを参考に取組みを進めることが可能である。
WHOの査察官が“データインテグリティは信頼である”と述べている。規制当局と製薬企業との信頼、企業と社員との信頼、経営者と従業員との信頼、従業員同士の信頼、そして患者と企業との信頼。これらの全てがデータインテグリティへの取組みにつながっていく。「クオリティカルチャ」も同じである。
データインテグリティガイダンスで求められている要件への対応は確かに必要である。しかしながら、データインテグリティの取組みはそこだけではない。お互いの信頼感を高め、企業のクオリティカルチャを醸成していく、その帰結としてデータインテグリティに取り組む優れた企業文化が出来ると考えている。
データインテグリティに関する取組みは今始まったばかりである。焦らずに、しかし、スピード感をもって取り組みを進めて頂きたい。本書が多少なりともそれらの実現にお役にたてれば幸いである。
価格:
60,500円(税込)