Digital Therapeutics (DTx) とは 潟Cーコンプライアンス


Digital Therapeutics (DTx) とは

 

Digital Therapeutics (DTx) の定義

明確な定義はなく、基本的には科学的根拠(Scientific Evidence)に基づいた治療方法をモバイルアプリやITサービスとして患者に直接届けることを指します。

@製薬/ライフサイエンス企業からみたDigital Therapeuticと、
AスタートアップからみたDigital Therapeuticの両面から語られています。

また、2017年に設立された米国に本社を置くデジタルへルスに係わる業界団体のコンソーシアムであるDigital Therapeutics Alliance (https://www.dtxalliance.org/) によると、Digital Therapeutics は”医学的な障害や疾患を予防、管理、または治療するための高品質なソフトウェアプログラムによって推進されるエビデンスに基づく治療的介入を患者に提供”し、“患者支援と予後の健康を最適化するために単体または薬剤や医療機器、もしくは他の治療法と組み合わせて使用される”としています。

DTxの業界団体である「Digital Therapeutics Alliance」のExecutive DirectorのMegan Coder氏は、
「健康増進アプリやウェルネスアプリ、服薬状況を管理するアプリなどは、DTxとは区別している」と説明している。
現在、米国などで開発中や承認されたDTxを見てみると、神経・精神領域や生活習慣病を対象としているものが多い。
ここでは医療機器プログラムの承認ならびに保険収載を目指すなど、臨床試験等のエビデンスを有する(もしくはエビデンスの取得を目指す)医療に係わるデジタル技術をDigital Therapeutics と定義しました。

医薬品・医療機器に次ぐ第3の医療技術の柱となると期待されている。


Digital Therapeutics:DTx、デジタル治療

アプリなどソフトウエアを活用して治療する「デジタルセラピューティクス」(Digital Therapeutics:DTx、デジタル治療)、米国では既にいくつか実用化されており、このほど日本でもベンチャーのキュア・アップ(東京・中央、佐竹晃太社長)が、禁煙治療を受けるニコチン依存症の患者向けのDTxを承認申請。

DTxはここ数年で誕生した新規の製品、事業の拡大に課題はあるものの、それを突破できれば、患者や医師にとって治療の選択肢が増える他、産業界では、DTxを開発する新興ベンチャーが増加したり、製薬企業にとっては医薬品以外の収益源になったりする可能性がある。

米国で2017年に設立されたDTxの業界団体である「Digital Therapeutics Alliance」のExecutive DirectorのMegan Coder氏は、「健康増進アプリやウェルネスアプリ、服薬状況を管理するアプリなどは、DTxとは区別している」と説明する。現在、米国などで開発中や承認されたDTxを見てみると、神経・精神領域や生活習慣病を対象としているものが多い。

DTxは、治療の選択肢を広げると期待されている。DTxによる治療の例をみる前に、まずは現在の治療についてみてみよう。

疾患で生じる症状には、(1)機能の低下など身体的な原因で起きるものと、(2)考え方の癖など心理的な原因で起きるものがある。医師は一般的に、(1)の身体的な原因で起きる症状に対しては、医薬品や医療機器を利用して治療している。一方で(2)の心理的な症状に対しては、患者と対話したり指導したりしている。

疾患の症状には(1)身体的な原因で起きるものと、(2)心理的な原因で起きるものがある。
DTxは、(1)と(2)のそれぞれの症状に対する効果が期待されている。
(1)では例えば、脳機能が低下した注意欠陥/多動性障害(ADHD)の患者を対象としたDTxの開発が進む。患者が治療用アプリの課題を実行してクリアすると、脳機能が改善する可能性がある。
(2)では例えば、ニコチン依存の患者に対するDTxが開発中だ。来院していないときでも、治療用アプリを通じて指導が行われることで、患者の行動変容を促して効果を発揮する。

ただ、(1)では中枢神経系の疾患などのように医薬品や医療機器では治療しにくいものがある。
また(2)では、医師が1人の患者に対して十分な時間を取って指導しにくいのが現状だ。

DTxは、(1)の身体的な原因で起きる症状に対しては例えば、ソフトウエアの課題を実行することで、脳機能の改善などを目指す。(2)の心理的な症状に対しては、患者が来院していないときでも、ソフトウエアを通じて指導を行うなどして、行動変容を促し効果を発揮する。

米国で実用化進む

世界のDTxの先駆けは、2010年に米国の規制当局が承認した、2型糖尿病患者向けの米Welldoc社の「BlueStar」だ。2型糖尿病など生活習慣病は、医薬品を飲んでいても、不摂生や運動不足を解消できないため症状が改善されないケースが少なくない。

DTxのBlueStarは、患者が血糖値などをスマートフォンで入力すると、結果に基づいてバランスの良い食事をしたり、適度に運動することを促すような動機付けや教育を行ったりするコーチングメッセージを発信する。
BlueStarを利用した場合、血糖値の高さと関連するHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値を抑制できたとする結果が論文で報告されている。「医薬品で血糖値を下げるのと同様かそれ以上の結果が出ており、衝撃だった」と医師は話す。
米国ではBlueStarの承認以降、DTxを手掛けるベンチャー企業が増加した。米国の規制当局である米食品医薬品局(FDA)が、DTxの開発ガイドラインを公表したことも、開発が活発化している理由と言われている。これまでに、喘息(ぜんそく)の患者が疾患を管理する米Propeller Health社のDTxや、米Pear Therapeutics社のDTxである「reSET」などがFDAに承認された。reSETは、アルコールやコカイン、マリフアナ、覚醒剤の乱用に対する外来治療を受けている患者を対象とする。患者がこれらの物質の摂取を自制するように支援したり、患者が来院をやめないように設計されたりしている。

大手企業もDTxに興味を持ち始めている。特に、臨床試験を行い規制当局から承認を得て販売する医薬品を扱う製薬企業が、DTxを開発するベンチャー企業と提携している。世界では先ほどのPear社が、大手製薬企業であるスイス・ノバルティス(Novartis)などと提携している。2019年に入り、ついに日本の製薬企業もDTxを開発する企業と提携する動きが出てきた。

米国では2010年に医療機器アプリ第1号が登場

米国では2010年に早くも、Welldoc社の「BlueStar」という糖尿病患者向けの治療補助アプリが医療機器としてFDAからクラスUの承認取得を得て、大手民間保険会社に保険償還の対象として承認されました。これは一定のクラスタに対して糖尿病治療の改善効果が治験を通じて証明されたという快挙でした。

一部の医療機関に限られた話ではありますが、医療機器に付属するアプリではない、「単体のモバイルアプリ」の医師による処方はこうして7年前に実現されています。
https://youtu.be/hjIMOeM-7Z8 



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