近い将来eCTDによる新薬申請が義務化されることが予想されます。製薬各社ではeCTD申請実現に向けて、第二世代のドキュメント管理システムの導入を開始しているところです。
しかし、一言に「ドキュメント管理」といっても、いったい何を目指せばいいのでしょうか。
「ドキュメント管理」は、決してドキュメントの成果物の管理ではありません。成果物を管理するだけであれば、大金をはたいてシステムを導入する意味がありません。それは単にドキュメントのバックアップに過ぎないからです。
「ドキュメント管理」では、ドキュメントの作成過程を管理することに意味があります。その目指すものは、4つあります。
- Fast Time to Market
- 品質保証(QC/QA)
- Globalization
- 当局対応(CTD、eCTD)
製薬会社にとって、ドキュメント管理は、決してOAシステムではなく、会社の戦略を実現する重要な位置付けにあります。「ドキュメント管理」というとすぐにEDMS(Electronic Document Management System)を導入したくなりがちですが、 EDMSそのものは、何もしてくれません。
EDMSを販売しているベンダーのデモは、機能の説明ばかりで、どれを見ても同じようにしか見えません。いったいどういう風に使いこなせばいいのでしょうか。
業務プロセスが複雑かつ混乱したままEDMSを導入しても、それは単に電子化された混乱に過ぎません。まず、ビシネスプロセスの適正化(いわゆるリエンジニアリング)を行い、続いてEDMSを導入することによって、そのリエンジニアリングを促進することになります。
まずは、ドキュメント管理で何をしたいか、ビジネスのプロセスをどう組み立てたら良いのかを議論しなければなりません。