これまで製薬会社は、臨床試験において「紙」の症例報告書(以下、紙CRF)を用いて症例データを取得していましたが、最近では電子的にデータを取得するElectronic
Data Captureシステム(以下、EDC)が注目されるようになってきました。
症例報告書を電子化できる根拠としては「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(厚生労働省令第44号 平成17年3月25日)があげられます。
日本においては、EDCはその利用が始まったばかりでです。製薬企業にとっても、規制当局にとっても経験の蓄積がありません。
日本国内でのEDCに関する体制・制度が十分に整備されていない現状において、EDCを推進することは、製薬企業および規制当局にとって大きなリスクがあるといえます。
規制当局は、紙CRFを廃止し、電子CRFを原本にした場合、EDCを利用した試験成績が受入れ可能か不明であると述べています。
しかしながら、グローバルではEDCの利用が一般的となり、日本が組み込まれたグローバル治験においてもEDCを利用する機会が増大しています。
日本だけがEDC利用を躊躇しているわけにはいかない状況です。
製薬企業は、EDCの安易な運用により今後のEDC推進に悪影響を及ぼさないように、慎重に経験を積んで進めていかなければなりません。
【第1話】 |
EDCとは |
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【番外編】 |