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[書籍] 医薬品開発を例にした コンメンタール(逐条解説)研究開発QMSマニュアル <<ISO9001:2015対応>>
14,960円(税込)
「ISO のために,手順書がダブルスタンダードになっている!」,「ISO のために,手順書や記録類ばかりが増え,現場の効率が悪化している!」,「うちの会社は,ISO認証を取得すること自体が目的となっている!」等々の声を聞くことがあります。
しかし,ISO は本当に役に立たない,厄介者なのでしょうか?
もちろん,決してそんなことはありません。確かに,冒頭の例のように,ISO を正しく使いこなせていないケースがあるのも事実です。その原因は様々ですが・・・。しかし逆に,ISO のおかげで,売上が伸びた,利益が上がった,社員のモチベーションが上がった,離職率が下がった等々,上手くISO を活用できているケースも多々あります。
2015年のISO 9001の改訂では,このような過去の失敗例も考慮し,大幅な見直しが行われました。そのISO 9001:2015のメッセージは,「自らの組織に本当に役に立つ仕組みを,組織自ら全員参加で考えて作って,自らが意図した成果を出そう!」,そして,現状に甘んじて立ち止まることなく,「PDCA サイクルを回し続け,継続的に改善し,自らのパフォーマンスを高めよう!」ということ。キーワードは「自ら」です。社長から新入社員まで,組織を構成する全員が参加して,自らの目標を立て,計画を立て,ルールを決めて,それらにきちんとしたがってやってみる。そして,何か上手くいかないことや問題があった場合には,決して人やその意識の問題としてではなく,自らの仕組みの問題ととらえて,見直しをし,改善していく。これがPDCAサイクルが有効に回っているといえる状態です。
ところで,そもそも組織の目標とはどんなことでしょうか? もちろん,具体的な目標が組織によって異なるのは当然のことですが,その本質を突き詰めれば,結局は,お客様のご期待に応えるということに収束するのではないでしょうか? そして,お客様のご期待,すなわち顧客要求事項の3要素といえば,Q(品質),C(コスト),D(納期)です。どんなに品質が高い製品やサービスでも,価格が期待以上に高かったり,納期にとても時間がかかったら,まったく意味がないのです。そして,このQ(品質)は有効性,C(コスト)とD(納期)は効率性の指標です。結局,組織がお客様のご期待に応えるために,取り組むべき課題は,「有効性と効率性の両立」なのです。そして,この「有効性と効率性の両立」を実現する仕組みを作るために,非常に有用な,グローバルスタンダードのツールがISO 9001:2015 なのです。
しかし,残念ながらISO 9001:2015に限らず,ISO 全体に共通する欠点があります。それは,様々な領域への適用を可能にするため,汎用性があるものとしたい。そのため,規定の表現が抽象的であり,難解なものが多いということです。つまり,初めて読んだ人が,簡単に理解できるものではないのです。ISO のメッセージを正しく理解するためには,それなりのやる気と時間を要します。その必要性を感じて,自ら積極的に,じっくりと取り組んで,やっと少しずつわかってくるものだといっても良いでしょう。 また,JIS Q 9001:2015 は,ISO 9001:2015 の日本語翻訳版ですが,この翻訳が難解な箇所についても,すべて原文であるISO 9001:2015に立ち返って,翻訳を見直しています。
本書が,このように時には難解な,ISO 9001:2015のメッセージを正しく理解し,「自らの組織に本当に役に立つ仕組みを,自ら全員参加で考えて作って,自らが意図した成果を出す」ための一助となることを願っています。
[書籍] 海外データ(試験施設)/海外導入品の信頼性基準適用と 効率的なデータ利用・CTD申請
44,000円(税込)
<本書より抜粋>
●安全性試験や安全性薬理試験についてはGLPという規制がかかるが、薬効薬理試験、薬物動態試験及び承認前のCMC分野については、GLPではなく日本特有の「申請資料の信頼性の基準」に合致するように、それぞれの試験を実施しなければならない。つまり、薬理試験、薬物動態試験及びCMC分野にとっては、これが試験実施の物差しとなり、信頼性が担保された申請資料が出来上がることになる。ただ、この物差しは「正確性」「完全性(網羅性)」及び「保存」についてだけ明記してあるだけで、具体的にどうすれば良いのかについては、各企業に委ねられている状況である。…… (省略)……私は、信頼性の基準、GLP、GCP及び治験薬GMPに携わってきた経験から、会社の風習、試験者の資質及びそのような隠匿が極力できないシステムがポイントであると感じており、また、それらは社員の善良なる教育が必須であるとも感じている。今回の執筆にあたっては、適合性書面調査対応のためだけを考えたものにならないように、つまり、人の生命に関わる仕事に就いていることを再確認できるようにと考え、GxPの状況とも比較しながら以下に記載する。……(本文へ続く)(第1章「日本特有の非GLP試験における信頼性確保の考え方・留意事項~GLP/GMPとの比較・相違と試験効率化に向けて~」松永 秀光)
●……医薬品の承認申請において新薬の価値を適正に示すデータとは何か、これは承認申請に求められる条件と考えられる。本書の趣旨に沿って承認申請に使用するデータを大別すると……… (省略)………つまり、承認申請に使用するデータは、日本申請において全て信頼性が確保され、その1つに非GLP試験が位置づけられる。さらには新医療機器の開発においても、承認申請では同様に信頼性の基準が適用される。
本章では、海外導入品の非GLP 試験を日本国内申請において効率的な利用に向けての考え方を基本に示したい。ただし、海外試験に限らず、全ての試験は「得られたデータ」に本質的な信頼性があるのは当然であり、海外試験の効率的な利用とは、規制科学的に考えていかに無駄を省いて承認申請に対応するか、必要十分な信頼性とはどのような考え方かを示すことになる。…………(本文へ続く)(第5章「海外導入品の国内申請でのデータ利用の課題・対応【非臨床】」内藤 真策)
●……本章では,自社開発ではない導入品,特に海外からの導入品の日本における申請対応について紹介する。なお、今日では、医薬品開発製造は、リスクマネジメントに基づいて実施されている。今回のテーマである、"海外導入品の国内申請に対して“も、あらかじめそこに含まれるリスクを明確にして、その上で対応する必要が出てきている。このリスクは、導入元や導入先の状況により変わることから、一義的に記載することは難しいが、各項目の中で、なるべく具体的なリスク内容を紹介したので参考にして頂きたい。
まず、第5章では、海外から原薬や製剤を導入する場合,申請をスムーズに行うために必要となる取り組みについて紹介すると共に,導入元(ここでは開発元の場合も含む)と導入先での協同作業や必要となる情報の管理,進捗管理などについても紹介する。また,導入する原薬や製剤の製造にかかわる技術移転やバリデーション、また委託製造を行う場合には委託先との管理のポイントなどについて,さらに、先頃施行となった医薬品の適正流通(Good Distribution Practice)に関するトピックについても解説する。…………(本文へ続く)(第6章「海外導入品の国内申請における留意事項・対応【CMC】」津布久 悟)
[書籍] ―最新の当局要求・現場の実情をふまえて解説― グローバル開発における 開発段階に応じた適切な治験薬(治験用原薬)QA
60,500円(税込)
<本書より抜粋>
●日米欧3極における治験薬の品質保証の技術的要求は同等であろう。ただ、治験薬は欧米においては法的には医薬品として扱われ、一方我が国では法的に定義された医薬品には含まれない。このため許認可に関する手続き、担当部局など運営上の違いがある。また、欧米の治験薬へのGMP要求は医薬品GMPへの追加事項、例外事項としての記載となり治験薬規制の全体像をわかりにくくしている傾向がある。……
……3極の規制体系は技術的には同等である一方、欧米の規制文書は具体例が同一文書に記載される傾向にあり、規制の趣旨を理解するためには役立つものの、具体例の解釈を固定的に行うと柔軟性を失う結果となる。文書に現れる3極間の運営上な違いだけに目を向けるのではなく、むしろ治験薬の品質保証は市販医薬品の品質保証とは目的が異なる点、開発過程における複雑な展開を良く認識することが肝心と考える。
本稿では、開発における治験薬の段階的な品質保証、平成9年発行の旧治験薬GMP基準の問題点、治験薬GMP基準(平成20年)の主要論点、欧米における状況、初期臨床開発における治験薬品質保証の課題を順に解説する。……(本文へ続く)(第1章「日米欧3極における治験薬の品質保証」檜山 行雄)
●……前述のとおり、治験薬製造段階は、開発に伴って製造方法や試験方法等が変更され、変更に伴うデータが蓄積されていくことから、ハード面及びソフト面の両面において、開発段階に応じたより適切な管理が求められる。治験薬製造施設は、製造実態に応じた適切な管理システムを導入しながら治験薬の品質を保証し、不良な治験薬から被験者を保護することを実現しなければならない。
治験薬GMP調査では、治験薬GMPに記載された考え方に基づき、製造設備、製造支援設備、製造機器、試験検査機器等を含む「ハード」と、標準的な製造方法及び試験検査方法が記載された基準書、手順書の内容に加え、品質を保証するために必要なその他の手順書の内容、医薬品品質システムの運用実態、データの信頼性等を含む「ソフト」の両面を調査している。……
……本項では、治験薬GMP調査における指摘事項例を紹介する。なお、特定の治験薬製造施設に関する機密情報を排除し、治験薬の品質に与えるリスクを明確に説明するために必要な情報を加筆した。また、指摘事項の背景を解説として併記した。なお、指摘事項及び解説の内容は現在の要求水準に基づくものであり、今後の規制動向によって変わりうるものであることに留意してほしい。…………(本文へ続く)(第2章「当局の視点から見た治験薬の製造管理及び品質管理に求められること」原 賢太郎)
●開発段階のCMC戦略の考え方として、“Phase Appropriate CGMP(開発段階に適したCGMP)”が2006年以前から議論されており、CDER Phase 1 GMPガイドライン(draft, 2006)以降、PDA-FDA Joint reguratory conference(2007)やFDA担当官の講演資料など参考となるものも多い。また、本書のように「開発段階毎の・・・」でまとめられた講演や文献も多く、このアプローチは規制当局をも含めた共通概念となっていると考えて良い。
しかしながら、化合物特有の品質部分、特に品質規格などの細部については具体的な情報の共通化は難しく、多少の“照会リスク”を取るか、若しくはコンサルタントに意見を聴き、コンサバティブな対応とならざるを得ないケースも多い。近年では、米国製薬企業が主導するIQ ConsortiumのPosition Paperや製薬協治験薬品質プロジェクトの文献(アンケート集計)なども非常に興味深く参考となり、治験段階の各社CMC戦略は様々であることが確認できる。
本稿では、一般的な開発段階に適応させたCMC開発アプローチ(Phase Appropriate CMC)を概説した上で、米国治験申請を中心とし、低分子化合物の品質評価(規格・試験法、安定性試験)についてより具体的に考えを記述する。また、Phase Appropriateのコンセプトをうまく活用しながら、化合物ごとに相応しいCMCストラテジーの実践についても考えたい。……(本文へ続く)(第5章「開発初期段階における治験原薬/製剤の品質評価 ― 規格及び試験法設定と安定性試験 ―」高井 良彰)
●承認申請書に添付すべき、医薬品の試験に用いる分析法バリデーションへの要求事項はICHガイドラインQ2A及びQ2Bや規制当局、各局方からの文書に詳細に記載されており、製薬企業に勤める分析研究者にとっては非常に理解しやすいものとなっている。
一方で、治験薬については、2008年に通知された改正治験薬GMPにおいて、「製造管理及び品質管理を適切に行うために、開発に伴う段階的な状況、治験の目的、リスク等を考慮し、必要なバリデーション又はベリフィケーションを適切に実施すること」との記載があり、分析法を含むバリデーションの内容は開発段階に応じて変化させてよいことが示唆されているものの、開発段階に応じた治験薬の分析法バリデーションへの要求事項を詳細に記載された手順はなく、各企業の判断に委ねられているのが現状である。
分析法バリデーションは、品質を保証する分析法が期待される分析能パラメータを有しているということを検証する重要度が高いタスクである一方で、その計画立案や実施、及び検証結果の適切な文書化に多くの時間やヒューマン・リソースが必要となるため、分析研究者にとっては負担のかかるタスクであることは事実である。……(中略)
……本章では、これらを踏まえた上で考察を行い、開発段階でどのように分析法の開発及びバリデーションを行っていくのが有用であるかを述べる。また、ICHガイドラインQ2Bでは、真度、精度(併行精度及び室内再現精度)、特異性、検出限界、定量限界、直線性、範囲、及び頑健性について記載されているが、開発段階によってそれぞれ要求される内容も変わり得るため、その具体的な内容についても論ずる。……(本文へ続く)(第6章「治験薬における開発段階毎の分析法バリデーション実施範囲」/川北 哲也氏・石井 裕大氏)
●……医薬品製造施設への査察に関してはグローバルでのハーモナイゼーションの動きが加速しているのに対し、治験薬の製造施設に対する査察に関しては、三極の規制当局ともにその実施状況やGMP違反と判断された事例及びその法的根拠に関して非常に情報が少なく、各査察当局での検証ポイントについての考え方やプラティスがどのような状況であるのかについては実際に査察を受けた企業や製造所でなければ多くを知ることができないのが現状である。……
……さらには、前述の如く、三極間で治験薬GMPの目的の一つが臨床試験のデータ(安全性や有効性)の保証であることは共通しているが,臨床試験の実施に関する基準(GCP)の遵守に関する監視・監督としての査察の実施状況が三極間で異なっており、開発段階に於ける監督規制としては欧州のように頻繁にGMP査察に加えてGCP査察を実施している機関もあれば、FDAのように治験薬製造施設に対する査察よりはGLP査察やGCP査察によるコンプライアンスのチェックに重点を置いている規制当局もある。また治験薬製造施設に対する欧米当局の査察ポイントは類似しているが実質的に同一ではない。……
……本章では各規制当局の治験薬施設に対する査察の法的根拠や査察に於ける指摘例を紹介することで治験薬の品質保証に対する規制当局の監視状況に関する情報を提供するとともに、グローバル企業での医薬品開発活動と品質保証に関するマネジメント(治験薬の製造管理、品質管理を含む)の実態と治験薬施設に対する規制当局からの期待への対応について筆者自身や海外の友人、知人の経験などからの情報を紹介することで査察を受けることを前提とした品質マネジメントのポイントについて纏めてみた。必ずしも当局査察の現状に関する十分な情報に基づく解説ではないが、今後の参考になれば幸いである。……(本文へ続く)(第9章「治験薬製造施設に対するグローバル当局査察動向と開発活動に於ける品質マネジメント/グローバルGMP対応」立石 伸男)
●研究開発サイドの視点から、抗体医薬品のプロセス開発から治験原薬製造までについて、QAと申請要件に関係する重要事項や注意点などを経験に基づきながら整理した。QAに浅学のため、臆しながらも何とか執筆できたのは、2006年から研究開発をスタートして、これまでに品質管理、Audit受審、申請の場数を踏み、知識を蓄えて自信をつけた研究所仲間の後押しがあったおかげだ。
武田薬品のQAといえば、グローバル医薬品は、海外、特に米国を手始めに申請する方針があるため、経験豊富な米国QAチームの主導により研究開発を進めることになる。例えば、品質管理や申請要件に適合しない不備があれば、重厚で完璧を期す研究開発や日本QAのチームよりも、シンプルで合理的な考え方をする米国QAチームの意見やアドバイスを主体にして是正や改善を図ることになるが、結果的にはそれで妥当性を欠くようなことにはならなかった。本書籍のタイトルである「グローバル開発」という研究開発は自ずとできているのではなかろうか。
本稿では、細胞構築、培養、精製、分析、治験原薬製造の順に、そうしたプロセス開発例、社内外Auditでの指摘事項、海外申請対応などを概説するとともに、現在取り組んでいる生産性向上を目的とした先端的な製造技術の必要性、問題点なども紹介したい。……(本文へ続く)(第11章「抗体医薬原薬のプロセス開発と治験原薬QA」河野 晃)
[書籍] 国際共同治験とモニタリング~なぜ、この記録は必要か
11,000円(税込)
【本書籍の発刊理由】
今回、本テーマ「国際共同治験とモニタリング」を取りあげた背景・理由を以下に記載します。
治験依頼者の治験担当部門には、生物統計部門、データマネジメント部門、治験実施計画書の作成部門、モニタリング部門及び安全性情報部門などがある。これらの部門で最も治験のグローバル化の影響を受けて、かつ、対外的(実施医療機関)にも従来と異なる業務・対応が要求されている部門は、モニタリング部門と考えます。
モニタリング部門でも特にモニターは、担当治験の治験実施計画書、モニタリング計画書、治験の固有手順及び治験依頼者のSOP などを理解して、GCP 省令及び関連法規を遵守して、更には、治験依頼者と治験責任医師、実施医療機関及びその他の治験関係者との間の業務を遂行する主役でもある。モニターは、治験業務において重要な役割・責務を求められている。
しかし、治験の現場を覗いてみると、すべての治験依頼者が、必ずしも同じ方針でモニタリングを実施しているわけでもない。当然のことながら、モニタリング業務及びモニターの役割・責務にバラツキが見られる。このことにより、実施医療機関に対する治験依頼者(モニター)の要求事項並びに対応内容も異なるため、実施医療機関の関係者に混乱をもたらしている。その結果として、実施医療機関の関係者は、治験及び治験関連法規などに関する質問がある場合は、モニターを治験依頼者の問合せ窓口先と考えて、最初に質問を投げかける。モニターは、回答に苦慮した場合、往々にして“本治験は、国際共同治験だからです。”、“治験依頼者が要求しているからです。”或いは“グローバルの方針だからです。”などと回答することがある。しかし、これらは、適切な回答と考えられないし、説得力にも欠けていると思う。
治験依頼者の要望通りにモニタリング業務が出来ればよいことであり、その業務に対する背景(理由)まで理解する必要がないと考えているモニター、実施医療機関の関係者から色々と質問を受けるが、適切な回答が出来ないことで悩んでいるモニター又は治験依頼者から的確な回答を得られず、ストレスをためた状態でモニタリング業務を行っているモニターもいるでしょう。
そこで、国際共同治験に従事するモニターが、少しでもストレスフリーになれるように、また、少しでもモニタリング業務を支障なく遂行出来るための一助となれば幸いと思って、本書籍を執筆しました。
【本書籍の構成(編集方針)】
本書籍の読者には、国際共同治験に関して、これからモニターとしてモニタリング業務に従事するために、関連知識を習得しようと考えている方或いは現在モニターとして、モニタリングに従事しているが、“色々な治験関連記録類が存在するが、何故、これらの記録類が必要なのか”、或いは、“国内治験と異なって、何故、国際共同治験では、このような手順が必要なのか分からない”などの疑問を解決し、整理したいと考えている方かもしれません。
モニタリング関連の手順及び法規を丸暗記するのではなく、個々のモニタリング業務の根拠・背景を理解した上でモニタリング業務を行うことです。
本書籍の構成は、先ず、総論として、GCP に規定された「基本用語とその定義並びに解釈」を記載している。次にモニタリング活動を4 つに大別し(項目2. モニタリング活動の構成)、更に各区分に具体的なモニタリング業務及び治験関連記録類に関して、GCP 省令とICH‐GCP の両規定から、更には海外の規制当局の査察情報を基に留意すべき点を記載している。
国際共同治験に従事するモニターは、日本では、主要な規制要件であるGCP 省令(含:GCP ガイダンス)及びICH‐GCP を理解して、モニタリング業務に従事する必要がある。また、海外の規制当局の査察では、PMDA とは異なる指摘事項も多く挙げられているので、海外の規制当局の査察の基本的な考え方や運用を理解する必要もあると考えた。海外の規制当局の査察に関しては、限られた情報源・情報量ですが、FDA 及びEMA5) ~11)を中心にまとめたので、業務に役立てて下さい。
全体的には、主要な(注意すべき)モニタリング業務及び関連事項をまとめているため、治験で発生するすべてのモニタリング業務を網羅して記載しているわけではありません。モニターという同一職種でありながら、国、地域或いは治験依頼者などの考えや方針によって、実際はモニタリング業務の内容が異なっている。世界標準的モニタリング業務を考えると、それは、GCP であり、世界共通のICH‐GCP に基づくモニタリング業務である。
同じ用語、単語であっても、各人によってそれらの解釈が異なることもあります。また、モニタリング業務に関しても、治験依頼者によってモニターの役割・責務が異なることもある。その結果、モニターの業務内容及び業務範囲が異なっているのが、現状すべてにおいて言えることである。従って、標準となる物差しは、何かといえば、やはり規制要件で規定されたモニターの役割と責務である。
[書籍] データインテグリティにおける 当局要求・不適合事例とその対策
60,500円(税込)
<「【第2部】データインテグリティの基本的事項・留意点」より抜粋>
......各国から相次いでデータインテグリティに関するガイダンスが発行され、一時はパニックのような状況であったが、ここにきてガイダンスの発行も一段落している。しかし、FDAから国内製薬企業に対して警告文書が相次いで発行されるなど、決して油断はできない。データインテグリティに対する対応はこれからである。各国のガイドラインを鳥瞰し、どの要件が自社にとって重要か、不足している取り組みは何かを評価するところから始めなければならない。これらの取組みは各ガイダンスの要件、AMGENやNOVARTISの取組み、あるいはFDAの警告文書などを参考に取組みを進めることが可能である。
WHOの査察官が“データインテグリティは信頼である”と述べている。規制当局と製薬企業との信頼、企業と社員との信頼、経営者と従業員との信頼、従業員同士の信頼、そして患者と企業との信頼。これらの全てがデータインテグリティへの取組みにつながっていく。「クオリティカルチャ」も同じである。
データインテグリティガイダンスで求められている要件への対応は確かに必要である。しかしながら、データインテグリティの取組みはそこだけではない。お互いの信頼感を高め、企業のクオリティカルチャを醸成していく、その帰結としてデータインテグリティに取り組む優れた企業文化が出来ると考えている。
データインテグリティに関する取組みは今始まったばかりである。焦らずに、しかし、スピード感をもって取り組みを進めて頂きたい。本書が多少なりともそれらの実現にお役にたてれば幸いである。
[書籍] 3極GCP査察の指摘事例/対応と FDA,EMAの特徴的な要求事項対策
49,500円(税込)
プロトコール/文書関連/オペレーション/統計解析/検査機器の取扱い・管理/治験薬の保管/安全性情報など
各担当者が知っておくべき指摘リスクと指摘を受けないための予防対策とは・・・
60個以上の指摘事例を掲載!!
PMDAとFDA、EMAの3カ国では査察の指摘内容はどこまで同じで、どこから違うのか、、、
3極の査察に対応するためのGCP対応の決定版です!
また、医療機関へのPMDAと海外当局査察との違いとは、FDA査察、EMA査察をうけた理由とは、
当日、必要な機材は、会議室レイアウトは、回答する人は。。。など、印象を悪くしない査察官対応方法も掲載!
[書籍] eCTD申請
18,857円(税込)
2011年11月7日発刊
eCTD申請『-ここまで身近になったeCTD申請- 』
A4 156頁 定価 18,857円(税込) ISBN : 978-4-905321-03-3
【著者】 エーザイ株式会社 比留間 良一 氏
プラネットファーマソリューションズ株式会社 深澤 秀通 氏
【書籍概要】
2009年11月に,イーコンプライアンス出版局より,「eCTD(基礎から応用まで) - eCTDの解説,実務,医薬品開発におけるeCTDの現状と課題 - 」を出版させていただきました。それから2年が経過したわけですが,その間にeCTDを取り巻く環境は大きく変化しました。2009年は,今,振り返るとeCTDにとってターニングポイントであったように思います。eCTD申請時に,それまで必要であった紙CTD(正副3セット)の提出が不要になり,それをきっかけにeCTD正本提出会社が10社以上になった年です。その後,eCTDの普及は着実に進み,現在,20社以上の会社がeCTD正本申請をしており,36社以上がeCTD対応を完了しています。CTD形式申請の70%以上は,eCTD形式になっているのではないでしょうか。まさに,eCTDがde-factになったと考えて良いでしょう。そして,第2の波が押し寄せています。1つは,eCTDの普及が大企業だけでなくなってきたことであり,2つ目はeCTDの次の規格(eCTD Ver 4.0)がICHで本格的に検討されていることです。
このような背景の中で,eCTDは特別なものではなく,当たり前の技術になってきました。eCTDをどうやって対応するかから,eCTDをどのように活用するかに移ってきています。eCTDをやるリスクから,eCTDをやらないリスクに変わってきています。
本書では,4つのメッセージを読者の皆さんにお伝えすることを意図しました。
《1.電子化,eCTDの意義を俯瞰する》
《2.これからeCTD対応する方への対応法》
《3.eCTDの品質を再考する》
《4.eCTDにおけるPDF》
本書を読まれた読者の皆さんが,eCTDの現状を正しく理解され,eCTDを単なる技術だけではなく,eCTDを広い視点で捉えることができるようになり,医薬品開発におけるeCTDや電子化の意義を理解し,実践できることを願っています。
2011年11月 比留間 良一
[書籍] リモートアクセスによるモニタリング実装 <タイプ別導入/運用事例・データの真正性確保>
55,000円(税込)
~
<本書の中心となる、第2章の内容を一部ご紹介します>
「第2章 リモートアクセスによるモニタリングの考え方 」
( 井上和紀 / 著)
「 はじめに 」
2020年になり新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に伴い医療機関への訪問規制が入るようになり,On-Site でのモニタリングが計画通りに実施することが困難となった。そのため,遠隔から原資料へのアクセス(リモートアクセス)するための検討が活発化してきている。これまでを振り返ってみると,10年以上前よりリモートアクセスの取り組みが行われてきているが,あまり普及はしてきていなかった。その理由としては,医療機関側が主体となって導入することになること,臨床試験におけるシステム導入の考え方が成熟していなかったことが要因として考えられる。これまでリモートSDV という言葉は, “SDV なのか”“SDV ではないのか”という点についてはあまり意識せずに使用されてきた。そのため遠隔でモニタリングをすることがリモートSDV という使い方となっていたこともあり,言葉の混乱が出てきている。このような状況下において日本CRO 協会では,SDV,SDR を含むリモートアクセスによるモニタリングを“リモートアクセスモニタリング”とし,言葉の整理を行った。モニタリングの目的は試験により異なるため,本章ではリモートSDV を含む「リモートアクセスによるモニタリング」もしくは「リモートアクセスモニタリング」用語を主に使用し,その考え方について解説をしていく。……(本文へ続く)
「2. 用語の整理」
本項では,リモートアクセスモニタリングの考え方に関連する用語について整理する。GCPで使用されるモニタリングに関連する言葉は意外と少なく,モニタリング手法の変遷の中で新しい用語が定義され使用されてきている。その位置付けを整理することでその理解を深めていきたい。なお,本稿を作成する段階において業界から検討された見解も少なく,筆者のこれまでの経験等に基づくものがあることをご容赦いただきたい。……(中略)……このように,GCP 省令については,モニタリングに関する用語として「直接閲覧」「SDV」「中央モニタリング(セントラルモニタリング)」が定義されている。これら用語を何気なく使ってきているが,「リモートSDV」については,SDV なのかリモートモニタリングなのか区別をせずに利用されてきたのが現状である。
そこで,「医療機関側」「依頼者側」「横断的に症例データのモニタリング」「個別データのモニタリング」の4つの要素で便宜上分類してみた。……(本文へ続く)
「3. 個人情報保護と医療機関」
リモートアクセスにてモニタリングを実施する上で最も大事にしておきたいのが,医療機関側における個人情報保護に対する考え方である。これを理解することでリモートアクセスにてモニタリングを実施する際の本質的な判断ができるようになると考える。……//(中略)//……これらを踏まえて,医療機関側では第三者がリモートでの診療情報にアクセスするためには,リモートアクセスの必要性について,病院長,診療情報部等の意思決定者の許可を取った上で初めて臨床試験に応用することができることを知っておきたい。緊急時対応下においてリモートアクセスによる診療記録への閲覧を希望する治験依頼者が増えたが,医療機関における個人情報の取り扱いについて知った上でどのように対応するか,医療機関と十分なコミュニケーションが必要だと考える。
1件~8件 (全8件)
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