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GMP省令改正(2021年)関連

改正GMP省令の目次

改正GMP省令(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令、平成16年厚生労働省令第179号)は、令和3年厚生労働省令第90号による改正を経て、本則が全63条となった。改正前は32条であり、条数はほぼ倍増している。本稿は、この省令の章立てと全条文の一覧を表で示し、各条が何を定めているかを1〜2行で説明する目次である。掲載内容はすべてe-Gov法令検索の法令APIから2026年8月20日に取得した現行条文を実測して作成した。GMPそのものの意味や薬機法との関係はGMPとはで扱っているので、本稿は条文の所在を引くことに集中する。

改正の全体像

令和3年厚生労働省令第90号は令和3年4月28日に公布され、附則第1条により令和3年8月1日から施行された。施行日前後の条文を法令APIで取得して比較すると、次のとおりである。

項目改正前改正後(現行)
本則の条数32条63条
新設された条31条
削除された条0条
第2章第2節の名称原薬の製造管理及び品質管理原薬たる医薬品の製造管理及び品質管理
第3章の構成節に分かれていない第1節〜第3節に分かれる
第2条(定義)の項数10項24項

削除された条が1つもないという点は押さえておきたい。令和3年改正は、既存の枠組みを組み替えたのではなく、既存条文を残したまま新しい要求事項を上乗せした改正である。したがって改正前のGMP体制を捨てる必要はなく、追加された要求を既存の手順に接続する作業が中心となる。

章立て

章・節名称該当条
第1章総則第1条〜第3条の2
第2章医薬品製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理第3条の3〜第31条
第2章 第1節通則第3条の3〜第20条
第2章 第2節原薬たる医薬品の製造管理及び品質管理第21条〜第22条
第2章 第3節無菌医薬品の製造管理及び品質管理第23条〜第25条
第2章 第4節生物由来医薬品等の製造管理及び品質管理第25条の2〜第30条
第2章 第5節雑則第31条
第3章医薬部外品製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理第32条〜第53条
第3章 第1節通則第32条〜第48条
第3章 第2節医薬部外品の製造の用に供される原薬の製造管理及び品質管理第49条〜第50条
第3章 第3節無菌医薬部外品の製造管理及び品質管理第51条〜第53条

第2章と第3章は別体系である

第2章が医薬品、第3章が医薬部外品を扱う。両者は見出しが似ているが要求水準は同じではない。たとえば医薬品品質システム(第3条の3)、品質リスクマネジメント(第3条の4)、安定性モニタリング(第11条の2)、製品品質の照査(第11条の3)、供給者管理(第11条の4)、外部委託業者の管理(第11条の5)に相当する条は第3章には置かれていない。医薬部外品を扱う際に第2章の条番号を引用してしまう誤りが起きやすいので注意されたい。

第1章 総則(第1条〜第3条の2)

見出し定めている内容
第1条趣旨本省令が薬機法第14条第2項第4号に規定する「厚生労働省令で定める基準」であることを宣言する。
第2条定義製品、最終製品、資材、ロット、参考品、保存品、リテスト日、管理単位、医薬品品質システム、品質リスクマネジメント、安定性モニタリング、照査、バリデーション、是正措置、予防措置、作業管理区域、清浄区域、無菌区域、細胞組織医薬品、生物由来原料、ドナー、ドナースクリーニング、ドナー動物、ドナー動物スクリーニングの24語を定義する。
第3条適用の範囲製造販売業者が製造業者等にGMPを行わせる義務、製造業者等自身の義務、輸出用医薬品等の製造業者の義務を定める。
第3条の2承認事項の遵守製造業者等は承認を受けた事項に従って製造しなければならないとする。軽微変更の届出までの間の取扱いを但書で定める。

第2条の定義規定は、改正前は10項であったものが24項に拡張された。医薬品品質システム、品質リスクマネジメント、安定性モニタリング、照査、是正措置、予防措置といった、令和3年改正で導入された概念の語義がここに置かれている。条文の解釈で迷ったときは、まず第2条に戻るのが定石である。

第2章第1節 通則(第3条の3〜第20条)

GMP省令の中核である。医薬品を製造する製造所が守るべき事項が、体制・文書・製造・品質・検証・記録の順に並んでいる。

見出し定めている内容
第3条の3医薬品品質システム実効性のある医薬品品質システムの構築を求める。品質方針の文書化、品質目標の設定、全組織への周知、必要な資源の配分と定期的な照査、記録の作成・保管の5項目を列挙する。
第3条の4品質リスクマネジメント品質リスクマネジメントを活用して医薬品品質システムを構築した上で製造管理・品質管理を行うことを求める。実施手続の文書と記録の作成・保管を求める。
第4条製造部門及び品質部門製造所ごとに製造部門と品質部門を置き、品質部門を製造部門から独立させることを求める。品質部門には品質保証に係る組織と試験検査に係る組織を置く。
第5条製造管理者製造管理者の業務を定める。製造・品質関連業務の統括、医薬品品質システムの運用状況の確認と製造業者等への文書報告、承認事項との相違を生じさせない管理、品質不良時の措置の確認と指示。
第6条職員製造・品質関連業務を実施しうる能力を有する責任者を、組織・規模・業務の種類に応じて適切に置くことを求める。
第7条医薬品製品標準書製造所ごとに医薬品製品標準書を作成し、品質部門の承認を受けて備え置くことを求める。承認事項、薬事に関する法令等の品質に関する事項、製造手順その他を記載する。
第8条手順書等製造所ごとに備えるべき手順書の種類を列挙する。衛生管理、製造・設備・原料・資材・製品の管理、試験検査、安定性モニタリング、製品品質の照査、供給者の管理、外部委託業者の管理、出荷の管理、バリデーション、変更の管理、逸脱の管理、品質情報及び品質不良等の処理などが含まれる。
第8条の2交叉汚染の防止交叉汚染を防止するため、製造手順等について所要の措置をとることを求める。
第9条構造設備製造所の構造設備が満たすべき要件を定める。清掃・保守、有毒ガスの処理設備、作業室の汚染防止構造、専用化の要否、製造用水の供給設備など。
第10条製造管理製造部門が行う製造管理業務を列挙する。製造指図書の作成、指図に基づく作業と記録、ロットごとの確認、保管と出納、構造設備の清浄確認と定期点検整備、計器の校正、職員の衛生管理など。
第11条品質管理品質部門が行う品質保証及び試験検査の業務を列挙する。検体の採取・保管、試験検査の指示と実施、参考品・保存品の保管、試験検査設備の点検整備、結果の判定と製造部門への報告など。輸入製品については外国製造業者の定期確認も定める。
第11条の2安定性モニタリング最終製品たる医薬品について、品質リスクに基づく品目の選定、保存で影響を受けやすい試験項目の選定、適切な間隔での試験検査、品質への影響評価、記録の作成・保管を求める。規格不適合時は製造販売業者への速やかな連絡等の措置を求める。
第11条の3製品品質の照査製造工程並びに原料・資材・製品の規格の妥当性を検証するため、定期的又は随時に製品品質の照査を行い、結果を製造管理者へ文書報告することを求める。照査の結果、改善やバリデーションを要する場合の措置も定める。
第11条の4原料等の供給者の管理原料等の規格の設定、供給者の適格性評価と選定、定期的な確認、記録の作成・保管を求める。製品品質に影響を及ぼす原料等については、供給者と文書による取決めの締結を義務づける。
第11条の5外部委託業者の管理試験検査その他の製造・品質関連業務の一部を外部委託する場合に、文書による取決めの締結を義務づける。委託先の適性・能力の確認、定期的な確認と必要に応じた改善要求、記録の作成・保管を求める。
第12条製造所からの出荷の管理品質保証に係る組織が、製造・品質関連業務が適切に行われたかをロットごとに評価し、製造所からの出荷の可否を決定することを求める。
第13条バリデーションバリデーションを行うべき場合を定める。新たに製造を開始する場合、製造手順等に製品品質へ大きな影響を及ぼす変更がある場合、その他必要と認められる場合。計画と結果の文書報告、結果に基づく改善措置を求める。
第14条変更の管理規格又は製造手順等の変更時に、製品品質及び承認事項への影響評価、製造販売業者等への連絡と確認、品質保証に係る組織の承認、関連文書の改訂と教育訓練、実施状況の文書報告を求める。変更後の再確認と目的達成の評価も定める。
第15条逸脱の管理逸脱が生じた場合の記録、影響調査、品質保証に係る組織への文書報告と確認を求める。重大な逸脱についてはさらに追加の業務を求める。
第16条品質情報及び品質不良等の処理品質情報を得たときの記録の作成、原因究明、所要の是正措置及び予防措置、記録の作成・保管と品質保証に係る組織への報告・確認を求める。
第17条回収等の処理回収された製品を区分して一定期間保管した後に適切に処理すること、保管及び処理の記録を作成し品質保証に係る組織及び製造管理者へ文書報告することを求める。
第18条自己点検製造・品質関連業務について定期的に自己点検を行い、結果を品質保証に係る組織及び製造管理者へ文書報告し、記録を作成・保管することを求める。
第19条教育訓練計画的な教育訓練の実施、実施状況の文書報告、記録の作成・保管に加え、教育訓練の実効性の定期的な評価と必要に応じた改善を求める。
第20条文書及び記録の管理第1項で文書の承認・配付・保管、改訂日付と改訂履歴、5年間(有効期間+1年が5年より長い場合はその期間)の保管を定める。第2項でデータインテグリティに相当する管理を定める(後述)。

第2章第2節〜第5節(第21条〜第31条)

見出し定めている内容
第21条品質管理原薬たる医薬品について、参考品を所定量の2倍以上、リテスト日又は有効期間に応じた期間保管させることを定める。
第21条の2安定性モニタリング原薬たる医薬品についての安定性モニタリング。品目の選定、試験項目の選定、適切な間隔での試験検査、品質への影響評価、記録の作成・保管を求める。
第22条文書及び記録の保管原薬たる医薬品に係る文書・記録について、第20条第1項第3号の原則によらず、リテスト日又は有効期間に応じた保管期間を定める。
第23条無菌医薬品の製造所の構造設備第9条第1項に加えて満たすべき構造設備要件を定める。清浄度の維持管理、乾燥・滅菌作業室の専用化、調製・充塡作業室等の要件、蒸留水等の供給設備など。
第24条製造管理第10条に加えて行う製造管理業務を定める。作業区域の清浄度管理、原料・資材・製品の微生物管理、汚染防止措置、無菌性保証に重要な工程の管理、製造用水の管理値、職員の衛生管理など。
第25条教育訓練第19条に加えて、無菌医薬品の製造に必要な衛生管理・微生物学等の教育訓練、清浄区域・無菌区域での汚染防止措置に関する教育訓練を求める。
第25条の2生物由来医薬品等に係る医薬品製品標準書生物由来医薬品等について、医薬品製品標準書に追加で記載すべき事項を定める。原料として使用する生物由来の物の規格、使用動物の規格(飼育管理の方法を含む)など。
第26条生物由来医薬品等の製造所の構造設備第9条第1項及び第23条に加えて満たすべき構造設備要件を定める。生物学的製剤、ロットを構成しない血液製剤、人の血液・血漿を原料とする製品の製造区域について個別に規定する。
第27条製造管理第10条及び第24条に加えて行う製造管理業務を定める。不活化・除去工程の汚染防止、発酵等の工程管理、カラムクロマトグラフ装置の汚染防止、連続培養の培養期間管理、使用動物の飼育管理、微生物株の記録、生物由来原料の記録など。
第28条品質管理特定生物由来医薬品又は細胞組織医薬品の最終製品について、参考品の保管期間を個別に定める。検体の識別区分、製造工程中での試験検査、使用動物の管理、ドナー動物の受入れ時試験検査などを定める。
第29条教育訓練第19条及び第25条に加えて、微生物学・医学・獣医学等に関する教育訓練、病原性微生物取扱区域での汚染防止措置に関する教育訓練を求める。
第30条文書及び記録の保管生物由来医薬品等に係る文書・記録の保管期間を定める。特定生物由来医薬品又は人の血液を原材料とする生物由来医薬品は有効期間+30年、その他の生物由来医薬品又は細胞組織医薬品は有効期間+10年など。
第31条記録の保管の特例厚生労働大臣が指定する生物由来医薬品について、指定する期間の記録保管を求める。生物由来原料に係る記録は、第11条の4第2項の取決めにより原材料採取業者等が保管する場合の例外を定める。

第3章 医薬部外品(第32条〜第53条)

第3章は令和3年改正で新設・整理された部分が多い。改正前は医薬部外品に関する規定が第32条1条に集約されていたが、改正後は第32条から第53条までの22条に展開され、第1節〜第3節に区分された。

見出し定めている内容
第32条製造部門及び品質部門責任技術者の監督の下に製造部門及び品質部門を置くことを求める。
第33条責任技術者責任技術者の業務を定める。製造・品質管理業務の統括と管理監督、品質不良時の措置の確認と指示。
第34条職員製造・品質管理業務を実施しうる能力を有する責任者を適切に置くことを求める。
第35条医薬部外品製品標準書製造所ごとに医薬部外品製品標準書を作成し、品質部門の承認を受けて備え置くことを求める。
第36条手順書備えるべき手順書の種類を列挙する。衛生管理、製造・設備・原料等の管理、試験検査、出荷の管理、バリデーション、変更の管理、逸脱の管理、品質情報及び品質不良等の処理、回収処理、自己点検、教育訓練、文書及び記録の管理。
第37条構造設備医薬部外品の製造所の構造設備要件を定める。清掃・保守、有毒ガスの処理設備、作業室の汚染防止構造、製造用水の供給設備など。
第38条製造管理製造部門が行う製造管理業務を列挙する。製造指図書、製造作業と記録、ロットごとの確認、保管と出納、構造設備の清浄確認と点検整備、計器の校正、職員の衛生管理など。
第39条品質管理品質部門が行う品質管理業務を列挙する。検体の採取、試験検査、参考品の保管、試験検査設備の点検整備、判定結果の製造部門への文書報告など。輸入製品の確認も定める。
第40条製造所からの出荷の管理品質部門が製造管理及び品質管理の結果を評価し、製造所からの出荷の可否を決定することを求める。
第41条バリデーションバリデーションを行うべき場合と、計画及び結果の品質部門への文書報告を定める。
第42条変更の管理製造手順等の変更時に製品品質への影響を評価し、影響がある場合等は品質部門の承認を受けること、関連文書の改訂と教育訓練等の措置をとることを求める。
第43条逸脱の管理逸脱の記録を求め、重大な逸脱については製品品質への影響評価と措置、記録の作成・保管、品質部門への文書報告を求める。
第44条品質情報及び品質不良等の処理品質情報を得たときの原因究明と改善措置、記録の作成・保管、品質部門への文書報告と確認を求める。
第45条回収処理回収された製品の区分保管と処理、記録の作成・保管、品質部門及び責任技術者への文書報告を求める。
第46条自己点検製造・品質管理業務について定期的に自己点検を行い、結果を責任技術者へ文書報告し、記録を作成・保管することを求める。
第47条教育訓練計画的な教育訓練の実施、実施状況の責任技術者への文書報告、記録の作成・保管を求める。
第48条文書及び記録の管理文書の承認・配付・保管、改訂日付と改訂履歴、5年間(有効期間+1年が5年より長い場合はその期間)の保管を定める。
第49条品質管理医薬部外品の製造の用に供される原薬について、参考品を所定量の2倍以上、リテスト日又は有効期間に応じた期間保管させることを定める。
第50条文書及び記録の保管医薬部外品の製造の用に供される原薬に係る文書・記録の保管期間を定める。
第51条無菌医薬部外品の製造所の構造設備第37条に加えて満たすべき構造設備要件を定める。清浄度の維持管理、乾燥・滅菌作業室の専用化、蒸留水等の供給設備など。
第52条製造管理第38条に加えて行う製造管理業務を定める。作業区域の清浄度管理、微生物管理、汚染防止措置、無菌性保証に重要な工程の管理、製造用水の管理値、職員の衛生管理など。
第53条教育訓練第47条に加えて、無菌医薬部外品の製造に必要な衛生管理・微生物学等の教育訓練、清浄区域・無菌区域での汚染防止措置に関する教育訓練を求める。

令和3年改正で新設された31条

施行日前後の条文を突き合わせた結果、新設された条は次の31条である。第2章に10条、第3章に21条が追加された。

新設された条
第1章第3条の2(承認事項の遵守)
第2章第3条の3(医薬品品質システム)、第3条の4(品質リスクマネジメント)、第8条の2(交叉汚染の防止)、第11条の2(安定性モニタリング)、第11条の3(製品品質の照査)、第11条の4(原料等の供給者の管理)、第11条の5(外部委託業者の管理)、第21条の2(安定性モニタリング)、第25条の2(生物由来医薬品等に係る医薬品製品標準書)
第3章第33条〜第53条(責任技術者、職員、医薬部外品製品標準書、手順書、構造設備、製造管理、品質管理、出荷の管理、バリデーション、変更の管理、逸脱の管理、品質情報及び品質不良等の処理、回収処理、自己点検、教育訓練、文書及び記録の管理、原薬の品質管理・記録保管、無菌医薬部外品の構造設備・製造管理・教育訓練)

あわせて、既存条の見出しも改められている。第7条は「製品標準書」から「医薬品製品標準書」へ、第16条は「品質等に関する情報及び品質不良等の処理」から「品質情報及び品質不良等の処理」へ、第17条は「回収処理」から「回収等の処理」へ、第22条及び第30条は「文書及び記録の管理」から「文書及び記録の保管」へ、第32条は「医薬部外品の製造管理及び品質管理」から「製造部門及び品質部門」へ変更された。

データインテグリティは第20条第2項にある

GMP省令の全文を検索しても「データインテグリティ」という語は1度も登場しない。国内GMPにおけるデータインテグリティ要求の根拠は、令和3年改正で追加された第20条第2項である。同項は、手順書等及び記録について「欠落がないよう」「正確な内容であるよう」「他の手順書等及び記録の内容との不整合がないよう」継続的に管理し、欠落・不正確・不整合が判明した場合には原因を究明して所要の是正措置及び予防措置をとることを求めている。この3点の管理と原因究明・是正措置の組み合わせが、条文上のデータインテグリティである。関連してデータインテグリティ保証の3要素も参照されたい。

「是正措置」であって「是正処置」ではない

法令APIで取得した現行条文を全文検索した結果は次のとおりである。条文の用語は「是正措置」「予防措置」で統一されている。

用語GMP省令での出現回数QMS省令での出現回数
是正措置620
予防措置615
是正処置00
予防処置00

「是正処置」はJIS/ISO規格系の訳語であり、それ自体が誤りというわけではない。省令に基づく手順書や記録では「是正措置」、ISO 9001やJIS Q 9001など規格の要求を引用する文脈では「是正処置」と、根拠に応じて書き分けるのが正確な用法である。社内文書を一括置換で統一しようとすると、どちらかが必ず不正確になる。

令和7年厚生労働省令第117号による改正

GMP省令には、令和3年改正の後、令和7年11月28日公布の厚生労働省令第117号による改正が加えられている。附則により、施行日は令和8年5月1日である。施行前後の条文を法令APIで比較したところ、変更されたのは第3条の2(承認事項の遵守)の1条のみであった。

内容は、薬機法第14条の項番号の繰り上がりに伴う引用の修正である。改正前は「同条第十五項」「同条第十六項」を引用していたものが、改正後は「同条第十三項」「同条第十四項」となった。実体的な要求事項は変わっていないが、GMP省令の条文を引用する社内文書で薬機法の項番号まで書き写している場合は、更新が必要になる。

まとめ

現行のGMP省令は本則63条。第1章が総則(4条)、第2章が医薬品(第3条の3〜第31条)、第3章が医薬部外品(第32条〜第53条)である。令和3年改正で31条が新設され、削除された条はない。医薬品品質システム・品質リスクマネジメント・交叉汚染の防止・安定性モニタリング・製品品質の照査・供給者管理・外部委託業者管理が新設された中核であり、データインテグリティは第20条第2項に置かれている。直近の令和7年厚生労働省令第117号(令和8年5月1日施行)による変更は第3条の2の引用修正のみである。

2026年時点で取るべき対応

  1. 手順書の条番号引用を現行条文と突き合わせる令和3年改正では条の新設に伴い「第○条の○」が多数増えている。改正前の条番号を引用したままの手順書が残っていないか、第8条が列挙する手順書の一覧を起点に総点検する。
  2. 第3章を引用する医薬部外品の手順書を独立させる医薬部外品には医薬品品質システム・品質リスクマネジメント・製品品質の照査・供給者管理に相当する条がない。医薬品の手順書を流用したまま第2章の条番号を引いていないかを確認する。
  3. 第20条第2項をデータインテグリティ手順の根拠として明記する「欠落」「正確性」「不整合」の3点と原因究明・是正措置・予防措置が、社内のデータインテグリティ手順のどこに対応するかを対照表にしておくと、調査対応で説明しやすい。
  4. 令和7年厚生労働省令第117号の引用修正を反映する施行日は令和8年5月1日であり、2026年8月現在すでに施行済みである。第3条の2を引用している文書で、薬機法第14条の項番号を第15項・第16項のまま記載していないか確認する。
  5. 用語を根拠別に整理する省令準拠の文書は「是正措置」「予防措置」、ISO/JIS準拠の文書は「是正処置」。どの文書がどちらの体系かを一覧化し、一括置換を行わない運用に切り替える。

出典

  • 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号)/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416M60000100179 本稿の条文一覧・条見出し・条数・用語の出現回数は、e-Gov法令APIの法令データ(https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/平成十六年厚生労働省令第百七十九号、及び法令API v2の law_data/416M60000100179asof を指定した版)を2026年8月20日に取得して集計した。
  • 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第169号)/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416M60000100169
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145
  • 「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について」(令和3年4月28日 薬生監麻発0428第2号)/厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc5900

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2021年8月1日の施行を予定しています。

GMP施行通知の施行(2013年8月30日)から8年近く経過し、いよいよGMP省令が改正されます。
改正GMP省令は、ICHやPIC/S等の国際標準のGMP基準に整合されました。
特にICH-Q9(品質リスクマネジメント)やICH-Q10(医薬品品質システム)の遵守が求められます。
それにより、品質保証体制の充実が求められることとなりました。

しかしながら、改正GMP省令はPIC/S GMPとの差異も存在します。
いったい何が変わり、どういう要求事項になっているのでしょうか。

改正GMP省令は、PIC/S GMPガイドライン重要項目(6項目)に加え、おおよそ以下の要件が追加されました。

承認事項の遵守(第3条の2)
医薬品品質システム(第3条の3)
品質リスクマネジメント(第3条の4)
交叉汚染の防止(第8条の2)
安定性モニタリング(第11条の2)
製品品質の照査(第11条の3)
原料等の供給者の管理(第11条の4)
外部委託業者の管理(第11条の5)
また、用語の定義が充実しました。
例えば、「医薬品品質システム」、「品質リスクマネジメント」、「安定性モニタリング」、「最終製品」、「参考品」、「保存品」、「是正措置」、「予防措置」、「品質」などが第2条(定義)に追記されます。

いったいどのような手順書(SOP)を作成すれば良いのでしょうか。

【医薬品品質システム】
ICH Q10(医薬品品質システム)の取り込みはグローバルな流れでもあります。
したがって、改正GMP省令においては、ICH Q10の浸透が強く要求されます。
では、医薬品品質システムとはいったい何でしょうか。
医薬品品質システムにおいては、経営層(トップマネジメント)の関与が求められます。
トップマネジメントは、医薬品品質システムの確立と実施の責任を持ちます。
また、定期的にマネジメントレビュによって品質をレビュし、医薬品品質システムの見直しを実施しなければなりません。
それにより、医薬品のライフサイクル全期間での継続的改善を促進することとなります。

また、製造所においては、従来の品質部門に品質保証に係る業務を担う組織(QA)の設置が規定されます。
製造管理者の管理監督の下、品質保証に係わる業務を実際に遂行する組織としての手順書の作成と実施が求められます。
また、外部試験検査機関等の供給者管理も厳格化されます。
供給者監査の実施や供給者における変更管理も把握する必要があります。
さらに品質保証部門(QA)は、是正措置や予防措置(CAPA)を通じて、品質の改善を実施しなければなりません。

【品質リスクマネジメント】
これまでICH-Q9 「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」は課長通知として発出されていました。
しかし、改正GMP省令においては、適切に品質リスクマネジメントが活用されるよう、ICHQ9の原則に則して手順書の作成と実施が求められます。
さらに品質リスクマネジメントの適用範囲として、「製品の製造管理及び品質管理」 だけでなく、「製造所における医薬品品質システム(PQS)」も対象となります。

本セミナーは、改正GMP省令と現行のGMP省令の対比表、品質マニュアルのサンプルなど充実した資料を配布し、分かりやすく90分間で改正GMP省令のポイントを解説いたします。”]

[blogcard url=”https://shop.ecompliance.jp/product/el-077/” title=”【セミナービデオ】改正GMP省令要点セミナー” content=”厚生労働省は「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(GMP省令)の一部を改正する省令(厚生労働省令第90号 )を発出しました。
2021年8月1日の施行を予定しています。

GMP施行通知の施行(2013年8月30日)から8年近く経過し、いよいよGMP省令が改正されます。
改正GMP省令は、ICHやPIC/S等の国際標準のGMP基準に整合されました。
特にICH-Q9(品質リスクマネジメント)やICH-Q10(医薬品品質システム)の遵守が求められます。
それにより、品質保証体制の充実が求められることとなりました。

しかしながら、改正GMP省令はPIC/S GMPとの差異も存在します。
いったい何が変わり、どういう要求事項になっているのでしょうか。

改正GMP省令は、PIC/S GMPガイドライン重要項目(6項目)に加え、おおよそ以下の要件が追加されました。

承認事項の遵守(第3条の2)
医薬品品質システム(第3条の3)
品質リスクマネジメント(第3条の4)
交叉汚染の防止(第8条の2)
安定性モニタリング(第11条の2)
製品品質の照査(第11条の3)
原料等の供給者の管理(第11条の4)
外部委託業者の管理(第11条の5)
また、用語の定義が充実しました。
例えば、「医薬品品質システム」、「品質リスクマネジメント」、「安定性モニタリング」、「最終製品」、「参考品」、「保存品」、「是正措置」、「予防措置」、「品質」などが第2条(定義)に追記されます。

いったいどのような手順書(SOP)を作成すれば良いのでしょうか。

【医薬品品質システム】
ICH Q10(医薬品品質システム)の取り込みはグローバルな流れでもあります。
したがって、改正GMP省令においては、ICH Q10の浸透が強く要求されます。
では、医薬品品質システムとはいったい何でしょうか。
医薬品品質システムにおいては、経営層(トップマネジメント)の関与が求められます。
トップマネジメントは、医薬品品質システムの確立と実施の責任を持ちます。
また、定期的にマネジメントレビュによって品質をレビュし、医薬品品質システムの見直しを実施しなければなりません。
それにより、医薬品のライフサイクル全期間での継続的改善を促進することとなります。

また、製造所においては、従来の品質部門に品質保証に係る業務を担う組織(QA)の設置が規定されます。
製造管理者の管理監督の下、品質保証に係わる業務を実際に遂行する組織としての手順書の作成と実施が求められます。
また、外部試験検査機関等の供給者管理も厳格化されます。
供給者監査の実施や供給者における変更管理も把握する必要があります。
さらに品質保証部門(QA)は、是正措置や予防措置(CAPA)を通じて、品質の改善を実施しなければなりません。

【品質リスクマネジメント】
これまでICH-Q9 「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」は課長通知として発出されていました。
しかし、改正GMP省令においては、適切に品質リスクマネジメントが活用されるよう、ICHQ9の原則に則して手順書の作成と実施が求められます。
さらに品質リスクマネジメントの適用範囲として、「製品の製造管理及び品質管理」 だけでなく、「製造所における医薬品品質システム(PQS)」も対象となります。

本セミナーは、改正GMP省令と現行のGMP省令の対比表、品質マニュアルのサンプルなど充実した資料を配布し、分かりやすく90分間で改正GMP省令のポイントを解説いたします。”]

[blogcard url=”https://shop.ecompliance.jp/product/el-070/” title=”【VOD】GMP省令改正における「原料等の供給者管理」の対応” content=”PIC/S GMPとの6つのギャップの一つとして、今まで、施行通知で求められていたが、GMP省令が改正され、盛り込まれることになった。今後、原料等の供給者管理は、査察時の重要なポイントとして必ず確認される。しかし、原薬から原料、資材と幅広く、その品質への影響は差があり、取決めや監査について悩まれる点でもある。リスクマネジメントの概念を取り入れ、その取決めや監査のポイントを解説し、より効果的な供給者管理を実施のための手順を探る。”]

[blogcard url=”https://shop.ecompliance.jp/product/el-070/” title=”【セミナービデオ】GMP省令改正における「原料等の供給者管理」の対応” content=”PIC/S GMPとの6つのギャップの一つとして、今まで、施行通知で求められていたが、GMP省令が改正され、盛り込まれることになった。今後、原料等の供給者管理は、査察時の重要なポイントとして必ず確認される。しかし、原薬から原料、資材と幅広く、その品質への影響は差があり、取決めや監査について悩まれる点でもある。リスクマネジメントの概念を取り入れ、その取決めや監査のポイントを解説し、より効果的な供給者管理を実施のための手順を探る。”]


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