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お客様指向で

私事で恐縮ですが、私の両親は自営業を営んでおります。そのため私は幼少の頃から両親が自宅兼店舗で、お客様と接する様子を見て育ちました。
お客様に対して人一倍気を使う両親は、例えば店から見える所に私の好きだった巨人軍の選手のポスターを貼る事さえ禁止していました。つまり巨人軍のファンではないお客様が嫌な思いをしてはいけないという配慮なのです。

私たちの周りには、意外と「お客様の立場」で考えていないことがあります。
例えば「自動販売機」と言うのは、売り手のほうが「自動」であるわけで、購入者にとっては商品を選び、お金を入れ、出てきた商品を取り出すと言った作業を全部自分自身で行わなければなりません。けっして自動ではないわけです。また電話の自動交換機も、同様です。かつては(非常に古い話ですが…)電話機に向かって「そば屋」と言えば、オペレータがそば屋さんにつないでくれたわけです。自動になったのは電話局の側であるわけです。この自動と言う言葉を、”客”の方が何の疑いもなく使っているのは、実は不思議なことなんですね。

昨今、電子メールが多用される時代となりました。携帯電話の普及もあって、「日本人は親指で会話する」と海外で報じられたくらいです。電子メールの普及に伴って、私たちの仕事のスタイルも変わってきました。たとえば電話をかけるときに、「今、話していいですか?」と気遣う人が多くなりました。つまり、要件は電子メールで伝えればいいのに、電話だと相手の今の仕事を中断させてしまうからという配慮なのでしょう。
でも電子メールの”文化”は、別の問題も引き起こします。例えば、送ったら送りっぱなし、つまり頼んだら頼みっぱなしなんですね。相手の都合を聞かない、相手が了解したかどうかを確認しない、ということが多くあります。メールで用件を送ったことによって、責任が自分から相手に移ったと考える人も少なくないようです。実はメールの受信者には「見ない権利」があるはずなんです。後ほど電話でフォローするような心遣いがあってもいいように思います。たとえ社内であっても、仕事をお願いする場合は、その相手の人(または組織)をお客様と考えてみては如何でしょうか。社内・外を問わず、「お客様指向」と言うのは重要なのだと感じます。相手の立場になって物事を考えることが必要でしょう。

私は仕事柄、よく新幹線を利用します。新幹線に限らず、電車の車内アナウンスでは、「お忘れ物をしないようにご注意願います」と言うのが一般的です。ところがある日乗車した際の新幹線の車掌さんは、ちょっと違っていて「この列車に限りましては、忘れ物を固くお断りします」とアナウンスしたんですね。こういう風にちょっと違って言われると、普段は聞き流している車内アナウンスが新鮮で、必然的に注意が向いてしまいます。言葉だけを聞いていると、なんとも失礼なものの言い方なんですが、真意はやはり「お客様指向」なんですね。お客様のためを思って、忘れ物をしないようにという配慮がうかがえます。

考えてみれば、私どもコンサルタントもいわゆる接客業であります。会社の机に向かって仕事をするよりも、お客様先にお伺いして打合せを行っていることの方が多いわけです。プロジェクトの終了時には最終報告書を作成し、スポンサーに合格点をいただかないといけません。最終的にはお客様満足度調査を通じて、私どものコンサルテーションに対しての評価をお知らせいただきます。
しかしながら、コンサルテーションに対するお客様の満足と言うのはいったい何なのでしょうか。
医師が患者の悪いところを診断するがごとく、コンサルタントはクライアントの問題点を指摘します。その際にお客様の顔色を見て、当りさわりのない表現をしたり、あえて直接的な指摘を避けあいまいな表現をすることは、けっして「お客様指向」ではないはずです。
癌の告知ではないですが、はっきりと問題点を告げてもらいたいのがクライアントの本心でしょう。
もちろん、その先の解決策を示せなければ、落第点を頂く羽目になるわけですが...

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