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Medical Device

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医療機器ソフトウェア設計開発支援

事業案内 md-design

かつてソフトウェアは、医療機器を動かすための「部品」でした。しかし現在は、ソフトウェアそのものが医療機器として承認・認証される時代です。診断支援アプリ、治療用アプリ、画像解析エンジン、クラウド上で動作する解析サービスなど、いわゆるプログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)が急速に広がっています。

一方で、輸液ポンプや内視鏡システム、体外診断装置のように、機器に組み込まれるソフトウェア(SiMD)への規制要求も年々厳しくなっています。組込みソフトウェアの不具合は、そのまま患者への直接的な危害につながるためです。本サービスは、この SaMD と SiMD の両方を対象に、医療機器ソフトウェアの設計開発プロセスと文書体系を、規制要求に耐えうる形で構築・整備することを支援します。

医療機器ソフトウェア開発で、よく起きている問題

ソフトウェア開発の現場と、薬事・品質保証の現場は、しばしば別々の言語を話しています。ご相談をいただく場面では、次のような問題が繰り返し現れます。

  • アジャイル開発と規制文書の要求が噛み合わない — スプリントを回しながら、いつ・どの粒度で要求仕様書や設計書を確定させればよいのか整理がつかず、リリース直前にまとめて文書を後付けで作ることになる。
  • ソフトウェア安全クラスの分類根拠が曖昧 — クラス A・B・C のいずれに該当するかを、危害の可能性とリスクコントロール手段に基づいて説明できない。甘ければ当局から指摘され、過剰であれば不要な工数を抱え込む。
  • SOUP/OTS コンポーネントの管理が抜ける — OSS ライブラリ、商用ミドルウェア、OS、クラウドサービスなど、自社でライフサイクルを制御していないソフトウェアの特定・要求事項・既知の不具合の評価が文書化されていない。
  • ソフトウェア変更のたびに再申請の要否で迷う — 軽微変更届で足りるのか、一部変更承認申請が必要なのかを判断する社内基準がなく、都度その場の議論になる。
  • サイバーセキュリティ対応が後追いになる — 設計段階でセキュリティを織り込んでいないため、申請直前に脅威分析や SBOM を慌てて作成することになる。
  • QMS とソフトウェア開発プロセスが接続していない — 設計管理の手順書はあるが、ソフトウェア固有のプロセスが記述されておらず、監査で実態との乖離を指摘される。

本サービスの支援内容

1. ソフトウェア開発プロセスの構築

開発計画、要求事項分析、アーキテクチャ設計、詳細設計、実装・ユニット検証、結合試験、システム試験、リリースという一連のプロセスを、貴社の実際の開発スタイル(ウォーターフォール/アジャイル/ハイブリッド)に合わせて設計します。既存の開発フローを否定せず、規制要求を満たす「証跡の残し方」に落とし込むことを重視します。

2. ソフトウェア安全クラス分類の根拠づくり

ソフトウェアシステムおよびソフトウェア項目の安全クラス分類を、リスクマネジメントの結果と紐づけて説明できる形に整理します。判断プロセス自体を手順化し、製品が変わっても同じ考え方で再現できるようにします。

3. 文書体系の整備

ソフトウェア要求仕様書、アーキテクチャ設計書、詳細設計書、検証計画・報告書、トレーサビリティマトリクスなどを整備し、要求事項からリスクコントロール手段、設計、検証項目までが一貫して追跡できる構造にします。

4. SOUP/OTS ソフトウェアの管理

使用中の既製ソフトウェアを棚卸しし、機能・性能要求事項、動作環境の要求、既知の不具合の評価、サポート終了時の対応方針を文書化します。SBOM(ソフトウェア部品表)の作成・維持の仕組みづくりも含みます。

5. ソフトウェアリスクマネジメント

リスクマネジメントプロセスと、ソフトウェア固有の危険状態の分析を接続します。ソフトウェアの不具合が危害に至る一連の事象を特定し、リスクコントロール手段が設計・検証に反映されていることを示せるようにします。

6. 変更管理・保守プロセス

問題解決、変更要求の評価、影響範囲の分析、回帰試験の範囲決定、構成管理といった保守プロセスを構築します。あわせて、変更の規制上の取り扱い(届出・申請の要否)を一貫して判断するための社内基準づくりを支援します。

7. サイバーセキュリティ文書の整備

脅威モデリング、セキュリティ要求事項の特定、セキュリティ試験、脆弱性の監視・開示手順、セキュリティ更新の提供計画といった、申請および市販後に求められる文書群を整備します。

関連する規格・規制の全体像

医療機器ソフトウェアには、複数の規格・規制が重なって適用されます。全体像を把握したうえで、自社製品にどれが効いてくるのかを見極めることが出発点になります。

規格・規制 位置づけ・要点
IEC 62304:2006/AMD1:2015
(国内対応規格:JIS T 2304:2017)
医療機器ソフトウェアのライフサイクルプロセスの中核規格。開発・保守・リスクマネジメント・構成管理・問題解決の各プロセスと、ソフトウェア安全クラスに応じた要求事項を規定。
ISO 14971:2019
ISO/TR 24971:2020
医療機器のリスクマネジメント規格と、その適用に関するガイダンス。ソフトウェアのリスク分析はこの枠組みの上に構築する。
IEC 62366-1:2015 ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用。画面設計・操作フローに起因する使用エラーの分析は SaMD では重要度が高い。
IEC 81001-5-1:2021
(国内対応規格:JIS T 81001-5-1)
ヘルスソフトウェアの製品ライフサイクルにおけるセキュリティ活動を規定。開発・保守・リスクマネジメント・構成管理・問題解決の各プロセスにセキュリティの観点を組み込む。
日本:基本要件基準 第12条
(平成17年厚生労働省告示第122号)
第1項でシステムの再現性・信頼性・性能、第2項で最新の技術に基づく開発ライフサイクル・リスクマネジメント・検証、第3項でサイバーセキュリティを要求(第3項は令和5年厚生労働省告示第67号による改正。1年間の経過措置が設定され、令和6年4月1日まで従前の例によることが可能とされた)。
日本:プログラム医療機器(SaMD)の枠組み 該当性は、表示・説明資料・広告等に基づく使用目的とリスクの程度により判断される(令和5年3月31日付け薬生機審発0331第1号)。第12条第3項の適合性確認については、令和5年5月23日付け薬生機審発0523第1号が JIS T 81001-5-1 等への適合確認時の留意事項と SBOM の作成に言及。
米国 FDA:ソフトウェア関連ガイダンス Content of Premarket Submissions for Device Software Functions(2023年6月発出の最終版。文書化レベルを Basic/Enhanced の2区分で判断)、Off-The-Shelf Software Use in Medical Devices(2019年9月)、General Principles of Software Validation(2002年1月)。
米国 FDA:サイバーセキュリティ Cybersecurity in Medical Devices に関する最終ガイダンス(2023年発出後、改訂されているため最新版の確認が必要)。米国食品医薬品化粧品法 第524B条(2023年3月29日施行)は cyber device について、脆弱性の監視・対処計画、セキュアな設計とアップデート提供、SBOM の提出を求める。
EU:医療機器規則 (EU) 2017/745(MDR) 附属書I 第17項が電子プログラマブルシステムの要求を規定(再現性・信頼性・性能、最新技術に基づく開発ライフサイクル・情報セキュリティを含むリスクマネジメント・検証・バリデーション、ITセキュリティ対策等の最低要件の設定)。附属書VIII のクラス分類ルール11は、診断・治療目的の意思決定に用いる情報を提供するソフトウェアを原則クラスIIa、影響の重大性に応じてクラスIIb・IIIとし、その他をクラスIとする。解釈は MDCG 2019-11 が示す。

支援の進め方

  • 現状評価(ギャップ分析) — 既存の開発プロセス、手順書、設計文書、リスクマネジメントファイルを確認し、適用される規格・規制とのギャップを整理。
  • 対応方針の策定 — ギャップの重大性と、上市スケジュール・仕向地を踏まえて優先順位を決定。
  • プロセス・手順書の整備 — ソフトウェア開発規程、各種手順書、記録様式を整備。ひな形をベースに実態へ合わせる進め方も可能。
  • 文書作成の伴走支援 — 実際の製品を題材に、要求仕様書・設計書・検証計画書等の作成をレビューし助言。
  • 教育訓練 — 開発担当者・品質保証担当者向けに、規格要求の意図と実務への落とし込み方を解説。
  • 内部監査・申請準備の支援 — 仕組みが機能しているかを確認し、承認・認証申請に必要なソフトウェア関連資料の準備を支援。

配下の個別サービス

本ページは、医療機器ソフトウェア(SaMD)に関する支援全体の入口です。目的に応じて、次の個別サービスをご用意しています。

  • IEC 62304関連(ソフトウェア開発)コンサルテーション — IEC 62304 の要求事項の解釈と、開発プロセス・文書体系への落とし込みに特化した支援。
  • 医療機器ソフトウェア設計開発QMS構築支援 — ソフトウェア開発プロセスを品質マネジメントシステムに組み込み、設計管理として一貫して運用できる形に構築。
  • FDA General Principles of Software Validation 対応QMS構築支援 — 米国向けに、FDA のソフトウェアバリデーションの考え方に沿った QMS の構築を支援。

どのサービスが適しているか判断がつかない場合も、まずは現状をお聞かせください。製品の使用目的、仕向地、開発体制、既存文書の状況を伺ったうえで、適切な進め方をご提案します。

費用

支援の範囲、対象製品の数、既存文書の整備状況、期間によって異なります。お見積りいたします。お問い合わせください。コンサルティング費用のページもあわせてご覧ください。

お問い合わせ

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