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品質管理・製造

医療機器製造品質改善サービス(苦情・故障・コスト等の改善)

事業案内 md-quality

苦情が減らない。市場での故障が止まらない。歩留りが上がらない。手直しや廃棄のコストが、毎年ほぼ同じ金額だけ計上されている。これらは多くの医療機器企業で、別々の部門が別々の課題として抱えている問題です。しかし現場に入って調べていくと、原因はたいてい同じところに行き着きます。工程が統計的に管理されていないこと、設計段階で製造性が織り込まれていないこと、そして不具合が起きたときに真の原因まで掘り下げる仕組みが機能していないことです。

品質工学では、品質が悪いことによって発生する費用の総体を COPQ(Cost of Poor Quality、不良品質コスト)と呼びます。手直し、再検査、スクラップ、ロット廃棄といった目に見えるコストだけでなく、苦情対応や調査に費やされる人件費、出荷遅延、回収・改修の費用、そして失われた信用までを含む概念です。COPQ は多くの場合、財務諸表のどこにも「品質不良費」という科目では現れません。製造原価や販管費に溶け込んで見えなくなっているため、経営として改善対象に上がらないのです。

医療機器の品質改善は、規制を守るためだけの活動ではありません。苦情・故障・歩留り・COPQ は同じ根から生えており、そこに手を入れることは収益構造の改善に直結します。イーコンプライアンスは、規制要求への適合と製造現場の実利の両方を、同時に前に進めるための支援を行います。

よくある問題

品質改善が進まない企業には、共通した症状があります。

  • 苦情が記録されるだけで、原因分析に至らない。台帳は整備され期限内に処理済みとなっているが、記載されているのは事象と対応の経緯だけで、なぜ発生したのかは書かれていない。
  • 是正処置が「教育訓練の実施」で終わっている。作業者のミスとして片付けられ、再教育と注意喚起で閉じられる。工程は何も変わっていないため、同じ不具合が数か月後に再発する。
  • 工程能力が把握されていない。規格内かどうかは検査で見ているが、規格幅に対して工程のばらつきがどの程度なのかを誰も数値で持っていない。不良は「たまたま出るもの」として扱われる。
  • 不良コストが可視化されていない。手直し工数、廃棄した部材、苦情調査に投入した時間が集計されておらず、品質部門が経営に対して改善の必要性を説明できない。
  • 設計起因の不良が製造現場に押し付けられている。公差設定や部品選定に無理があるにもかかわらず「作り方の問題」として製造部門が対処し続け、恒久的な解決に至らない。
  • バリデーションが形骸化している。報告書は存在するが実施は量産開始時の一度きりで、その後の設備更新や材料変更、工程条件の見直しが反映されていない。

これらは担当者の能力や熱意の問題ではなく、データを集めて意思決定につなげる仕組みが設計されていないために起きる、構造的な問題です。

本サービスの支援内容

苦情・不具合データの分析

蓄積されている苦情記録、不具合報告、工程内不良の記録を横断して整理し、製品別・部位別・故障モード別・工程別に層別します。件数の多い順に並べるだけでなく、発生時期の推移、特定ロットへの集中、設備や部材との相関を確認し、どこに手を入れれば最も効果が大きいかを特定します。データの粒度が改善の妨げになっている場合は、記録項目そのものの見直しも併せてご提案します。

根本原因分析の実施支援

なぜなぜ分析、特性要因図、FTA(Fault Tree Analysis、故障の木解析)といった手法を用い、実際の案件を題材にして原因分析を進めます。重要なのは手法の教科書的な説明ではなく、「そこで止まってはいけない」という判断ができるようになることです。作業者の不注意、確認不足、教育不足といった結論が出てきたときに、それを原因ではなく症状として扱い、さらに一段掘り下げる進め方を実務の中で身につけていただきます。分析の結果、設計に起因する不良が判明した場合には、設計部門と製造部門の双方が参加する場を設定し、設計変更の要否を判断できるようにします。

CAPA の有効性検証

是正処置・予防処置(CAPA)は、実施したことではなく効果があったことをもって完了とすべきものです。処置後に同種の不適合が減少したかを、あらかじめ定めた指標と期間で検証する仕組みを構築します。効果が確認できなかった場合に案件を再開する判断基準も定義し、CAPA が「閉じるための手続き」ではなく「効かせるための仕組み」として回るようにします。

工程の統計的管理と工程能力評価

主要な品質特性について測定データを収集し、管理図による工程の安定性評価と、工程能力指数(Cp、Cpk)による能力評価を行います。工程が安定していない状態で工程能力を語っても意味がないため、まず異常原因を除去して安定状態をつくり、その上で能力を評価する順序を守ります。評価結果は、検査の強度、抜取方式、工程パラメータの管理幅の見直しに反映します。

COPQ の可視化と改善目標の設定

手直し工数、スクラップ金額、再検査費用、苦情調査工数、出荷遅延に伴う費用などを定義し、既存の生産管理・会計データから拾い出せる形に落とし込みます。算定ルールを文書化し、月次で追える指標として定着させます。金額として見えるようになってはじめて、改善活動は経営の議題になります。改善テーマの優先順位づけと達成目標の設定までを支援します。

プロセスバリデーションの見直し

その後の監視や測定によって工程出力を検証できない工程について、バリデーションの対象範囲が適切に設定されているかを点検します。設備の更新、材料の変更、工程条件の変更が再バリデーションの検討につながる仕組みになっているか、実施結果が日常の工程管理値へ反映されているかを確認し、必要な見直しを行います。

規制上の位置づけ

本サービスで扱う領域は、品質管理監督システムに対する要求事項と重なります。改善活動を規制対応と切り離すのではなく、同じ活動が適合性調査や査察においても説明可能なものとなるよう設計します。

領域 QMS省令(平成16年厚生労働省令第169号) ISO 13485:2016 / 米国 QMSR
苦情処理 第55条の2(苦情処理) ISO 13485:2016 は、苦情処理、データの分析、製造およびサービス提供の管理、工程のバリデーション、是正処置・予防処置を要求しており、統計的手法の適用についても規定しています。
米国では 21 CFR Part 820 が「Quality Management System Regulation(QMSR)」に改称され、ISO 13485:2016 が引用参照(incorporation by reference)されています。
データの分析 第61条(データの分析)。統計学的方法およびその適用範囲を決定するための手順を含む
製造工程の管理 第40条(製造及びサービス提供の管理)
プロセスバリデーション 第45条(製造工程等のバリデーション)
是正処置・予防処置 第63条(是正措置)、第64条(予防措置)

米国 QMSR については、最終規則が 2024年2月2日 に連邦官報で公表され、2026年2月2日 に発効しています。同日をもって FDA は従来の査察手法である QSIT(Quality System Inspection Technique)を廃止し、更新された Compliance Program 7382.850 に基づく査察に移行しました。是正処置の有効性やデータ分析の運用は、規格上の要求であると同時に米国の法令上の要求としても評価されることになります。

なお、QMSR の下でも FDA 固有の要求事項は Part 820 に残されており、ISO 13485:2016 への適合がそのまま QMSR への適合を意味するわけではありません。この差分の洗い出しについても、必要に応じて併せて支援いたします。

進め方

対象範囲や現状によって調整いたしますが、標準的には次の段階で進めます。

段階 内容
第1段階:現状把握 苦情記録、不具合報告、工程内不良データ、CAPA 記録、バリデーション文書を確認し、関係部門へのヒアリングを実施。記録項目とデータの粒度を評価します。
第2段階:分析と課題の特定 データを層別し、影響の大きい不具合と工程を特定。既存の是正処置がどこで止まっているかを分析し、改善テーマを絞り込みます。
第3段階:改善計画の策定 COPQ の算定ルールを定義し、改善テーマごとに目標値、担当、期限、検証方法を設定。経営層への報告資料を作成します。
第4段階:実施支援 根本原因分析、工程能力評価、バリデーション見直しを対象テーマごとに伴走して実施し、手順書・様式の改訂を行います。
第5段階:効果検証と定着 設定した指標で効果を検証し、達成できなかったテーマは要因を分析して再計画。社内担当者への移管を行います。

成果物の例

  • 苦情・不具合データ分析報告書(層別集計、パレート分析、推移分析を含む)
  • 根本原因分析報告書(対象案件ごと)
  • CAPA 有効性検証の基準および記録様式
  • 工程能力評価報告書(管理図、Cp・Cpk 算定結果)
  • COPQ 算定ルール定義書および算定結果
  • 品質改善計画書(改善テーマ、目標値、実施スケジュール)
  • プロセスバリデーション見直し方針書および改訂版バリデーション計画・報告書
  • 改訂した関連手順書(苦情処理、不適合管理、是正処置・予防処置、工程管理 等)
  • 経営層向け報告資料

成果物の範囲は支援内容に応じて個別に設定いたします。

費用

支援の範囲、対象製品数、期間によって異なりますので、お見積りいたします。お問い合わせください。コンサルティング費用のページも併せてご覧ください。

お問い合わせ

本サービスの詳細やお見積りについては、お気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちら
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