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[書籍]廃プラスチックのケミカルリサイクル


廃プラスチックのケミカルリサイクル
―技術開発動向と展望―

~解重合・液化・ガス化・各種分解プロセス等の技術と事業化の動向~

2050年のNet Zero社会実現に向けた廃プラスチックリサイクル技術の集大成!
ケミカルリサイクル技術を専門に扱った待望の一冊

● 過去の技術開発の経緯から、近年の開発例・工業化・今後の事業化予定等の情報を整理
● 各種ポリマーの解重合によるモノマー原料化、熱分解等による他化学製品原料への転換
● 国内外の企業・研究機関の最新技術動向を網羅

発刊日 2025年1月28日
体      裁 B5判並製本 236頁
著者 アイシーラボ 代表 室井 城 氏
工業触媒コンサルタント
価 格 ( 税込 ) 55,000円
 定価:本体50,000円+税5,000円
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発      行 サイエンス&テクノロジー(株)
送料無料
I S B Nコード 978-4-86428-325-0
C  コ   ー   ド C3058

趣旨
本書の特徴

廃プラスチックリサイクル技術の全体像を体系的に把握できる
本書は、ケミカルリサイクル技術を専門に扱った一冊です。廃プラスチックのリサイクルについて、解重合、液化、ガス化など各種分解プロセスの技術開発の経緯から、近年の開発例、工業化、今後の事業化予定等の情報を整理しています。この一冊で、ケミカルリサイクル技術の種類や進捗、取り組み企業の全体像が掴めます。

2050年Net Zero社会を見据えた技術展望
2050年には、Net Zero社会が到来します。プラスチックは、バイオマスまたは再エネ水素とCO2から合成することになりますが、7割以上は再生プラスチックが用いられると予想されています。本書では、リサイクル困難なプラスチックを熱分解で液化し、既存のナフサクラッカーでスチームクラッキングしてポリマーの原料とする技術、都市ごみと混合した廃プラスチックをガス化してメタノールなどの化学品を製造する技術など、今後の社会に必須となる技術を詳説しています。

国内外の最新技術動向と企業事例を網羅
各種ポリマー(PET、PS、PMMA、PUR、ナイロン、PLA、PC、PBTなど)の解重合によるモノマー原料化、熱分解等による他化学製品原料への転換、ナフサ原料液化プロセス、ガス化-メタノール・エタノール/モノマー化プロセス、廃プラ含有都市ごみの利用など幅広い技術例を紹介。国内外の有力企業(BASF、Dow、ExxonMobil、LyondellBasell、三菱ケミカル、東レ、帝人など)や研究機関の取り組みを詳細に解説しています。

プロセススキームを図でわかりやすく解説
各論文・技術発表の情報から、プロセススキームを分かりやすく図にまとめてあり、視覚的にも技術への理解が得られます。技術者、研究者はもちろん、事業企画、マーケティング担当者の方々にも有用な情報が満載です。
目次構成概略
※詳細は「目次」「著者」タブからもご覧いただけます。

第1章 廃プラスチックリサイクルの現状と規制動向(9頁)
世界のプラスチック生産量と原料/海外の廃プラスチックリサイクルの現状/EUのシングルユース・プラスチック規制/リサイクル材の最低含有率/国際条約

第2章 化学的マテリアルリサイクル(13頁)
再生プラスチックの微量有臭成分除去/溶剤を用いた再生/廃プラスチックの脱インキ/添加剤によるアップグレード

第3章 ケミカルリサイクル(9頁)
ケミカルリサイクル技術概要/廃プラスチックのガス化によるケミカルリサイクル/マスバランス方式/日本の従来のケミカルリサイクル

第4章 PETボトルのリサイクル(19頁)
廃PETボトルのリサイクルの現状/固相重合によるPETのリサイクル/国内外の解重合技術(帝人プロセス、AIESプロセス、Loop Industries、Eastman Chemical、Carbiosなど)/再生ポリエステル繊維

第5章 廃プラスチックの解重合(17頁)
PSの解重合(Agilyx、東芝プラントシステム、Polystyvert)/PMMAの解重合(三菱ケミカル、住友化学)/PURの解重合/ナイロンの解重合(東レ、Aquafil)/PLAの解重合/PCの解重合/PBTの解重合

第6章 廃プラスチックの液化(19頁)
廃プラスチックからナフサの製造/熱分解プロセス(TAC Oil、Plastic Energy、Quantafuel、Recycling Technologies、Cat-HTR™、Fuenix Ecogy Group、Nexus、ExxonMobil)/接触分解プロセス(Recenso、MoReTec、環境エネルギー)/水素化分解

第7章 マイクロ波による廃プラスチックの分解(4頁)
Pyrowave/Gr3n/マイクロ波化学(PlaWave®)/三菱ケミカルグループ/レゾナック

第8章 廃プラスチックから軽質オレフィンの合成(20頁)
ポリオレフィンの解重合/熱分解(Battelle Memorial研究所)/廃プラスチックの接触分解/二段階方式による接触分解/芳香族生成を抑制した低級オレフィン

第9章 廃プラスチックから芳香族の製造(6頁)
ゼオライトによる芳香族の製造(室蘭工業大学、IHI)/Anellotech(Plas-TCat™プロセス)/BioBTX/Encina

第10章 廃タイヤのリサイクル(31頁)
廃タイヤのリサイクル状況/日本における廃タイヤ利用の歴史/廃タイヤの成分/熱分解技術/接触分解/ゼオライトを用いた熱分解/熱分解油のナフサ利用(BASF、Pyrum Inovations、Michelin)/解重合(東北大学、メタセシス反応)

第11章 廃プラスチックの利用(3頁)
アスファルト改質剤(Dow、花王)/廃プラスチックから界面活性剤

第12章 廃プラスチックのガス化(10頁)
EUPプロセス(宇部興産、レゾナック)/ICFG(内部循環型流動床ガス化炉)/H-Cycle(OMNI Conversion Technologies、出光興産)/ターコイズ水素とCNTの製造

第13章 廃プラスチックの熱分解試験(3頁)
熱分解試験装置/パイロライザー/タンデム型パイロライザー

第14章 CO2を原料としたプラスチック(17頁)
メタンとCO2からポリマーの合成/ポリカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DMC)/合成ガスからエチレンの合成/COとエチレンからアクリル酸の合成/その他各種製造プロセス

第15章 廃プラスチックを含む都市ごみの利用(10頁)
都市ごみのガス化/都市ごみ合成ガスからメタノールの合成(Enerkem、JFEエンジニアリング、三菱ガス化学)/都市ごみ合成ガスからエタノールの合成(Enerkem、積水化学工業)

第16章 プラスチックリサイクルの展望(4頁)
プラスチックの国際条約/今後のプラスチック原料/カーボンニュートラルのプラスチック/2050年のプラスチック再生ビジネス

※ 本書は技術開発動向を整理した報告書であり、各章の内容は著者の調査・分析に基づいています。


著者

著者

アイシーラボ 代表 室井 城 氏
【著者略歴】
1968年 福島工業高等専門学校 工業化学科 卒業 住友金属鉱山(株) 中央研究所配属
1969年 日本エンゲルハルド(株)/現エヌ・イーケムキャット(株) 市川研究所出向
1970年 日本エンゲルハルド(株) 本社営業第一部 化学触媒・自動車触媒の販売に従事
以降同社にて、カスタム触媒開発、公害防止VOC除去触媒開発、Engelhard社(現BASF Catalysts)のProcessのライセンシング、化学触媒事業部長、理事、事業開発部にて燃料電池触媒と新規事業担当部長、Engelhard社ポリオレフィン触媒の担当、エヌ・イーケムキャット(株)執行役員、常勤顧問を務める。
2008年 エヌ・イーケムキャット(株)を退社
アイシーラボを設立し、以降工業触媒コンサルタントとして活動
この他、BASFジャパン(株)主席顧問、日本ガス合成(株)執行役員、フロンティア・ラボ(株)顧問を担当

【業界での活動、受賞等】
2005年 触媒学会功績賞を受賞
2006年 触媒学会副会長、早稲田大学客員研究員
2007年 神奈川大学非常勤講師
2014年 NEDO 戦略センター 客員フェロー

【主な著書】
2003年「工業貴金属触媒」JITE社
2008年「工業触媒の劣化対策と再生、活用ノウハウ」サイエンス&テクノロジー社
2010年「エネルギー触媒技術」監修 S&T出版社
2013年「新しいプロピレン製造プロセス」監修 S&T出版社
2013年「工業触媒の最新動向」CMC出版
2013年「シェールガス・オイル革命の石油化学への影響」S&T出版社
2014年「シェールガス革命 "第二の衝撃"」日刊工業新聞社
2017年「触媒からみるメタン戦略・二酸化炭素戦略」シーエムシー・リサーチ社
2020年「触媒からみる二酸化炭素削減対策2020」シーエムシー・リサーチ社
2021年「触媒からみる炭素循環(カーボンリサイクル)技術2021」シーエムシー・リサーチ社
2023年「グリーン燃料とグリーン化学品製造―技術開発動向とコスト―」サイエンス&テクノロジー社
 

「著者が本書を執筆した理由」

2050年には、Net Zero社会が到来する。ということは、地球温暖化ガスを排出する化石資源は、全く使われなくなるということである。それは、ナフサクラッカーがなくなることを意味している。プラスチックは、バイオマスまたは再エネ水素とCO2から合成することになるが、7割以上は再生プラスチックが用いられると予想されている。

プラスチックはマテリアルリサイクルされるのが理想であるが、混合プラスチックや食品残渣などにより汚れたプラスチックはリサイクル困難である。今後、ソーティング技術が進歩し、解重合を含めマテリアルリサイクル技術が進歩するものと思われるが、これらのリサイクル困難なプラスチックは、ガス化するのではなく、熱分解で液化し、当面は既存のナフサクラッカーでスチームクラッキングしてポリマーの原料とするのが再利用への近道である。

都市ごみなどと混合した回収困難なプラスチックは、都市ごみと一緒に焼却されるのではなく、ガス化してメタノールなどの化学品の製造に用いられなければならない。

本書ではケミカルリサイクルを中心に、廃プラスチックリサイクル技術開発の経緯や近年の動向、今後の展望をまとめた。これらの内容が今後の研究開発やリサイクル技術の発展にお役に立てれば幸いである。
(はじめにより抜粋)

[書籍]廃プラスチックのケミカルリサイクル

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