医療機器のクラス分類(クラスI〜IV)の基本
医療機器は、人体へのリスクの低い順にクラスI〜IVへ分類される。絆創膏のような一般医療機器(クラスI)から、ペースメーカーのような高度管理医療機器(クラスIV)まで、リスクが上がるほど求められる手続きも厳しくなるーーこれが規制の背骨である。クラスIは届出、指定されたクラスIIは登録認証機関による第三者認証、クラスIII・IVは原則PMDA(厚労大臣)の承認と入口が変わる。

つまり、自社製品がどのクラスかを誤れば、必要な手続きも、かかる時間もコストも、すべてずれる。クラス分類はすべての出発点である。逆に言えば、ここさえ正しく定まれば、求められる試験も書類も審査ルートも芋づる式に決まっていく。
だからこそ、最初に時間をかけてでも分類を確定させる価値がある。
注意したいのは、クラス分類は「製品の立派さ」ではなく「外れたときの患者への危害」で決まる、という点である。シンプルで安価な製品が、使われ方によっては高クラスになることがある。
たとえば同じ理屈の機器でも、生命維持に関わる場面で使えば一気にリスクが上がる。「うちのは単純な装置だから低クラスのはず」という思い込みが、申請段階での痛い手戻りを生む。クラスは”構造の複雑さ”ではなく”失敗の重さ”で測る、と覚えておきたい。
クラスを左右する要素は、侵襲の度合い、体内に留まる時間、エネルギーを与えるか、生命維持に関わるか、といった観点である。同じ素材のチューブでも、体表で短時間使うのか、血管内に長期間留置するのかで、危害の大きさはまるで違う。だから「製品名」ではなく「使用シーン」でクラスを考える癖をつけるとよい。
さらに重要なのが、クラス分類は世界共通ではないという事実である。日本のクラスIIが、欧州や米国では別の扱いになることはざらにある。「日本でクラスIIだったから海外も同じ」という前提でグローバル展開を設計すると、各国で組み直しになり、計画が崩れる。
分類は、製品ではなく”国ごと×使用目的“で見るものだ。
初心者がよく混同するのが「クラス分類」と「一般的名称」の関係である。実務では、まず製品に最も近い一般的名称を探し、その名称にあらかじめ紐づいたクラスを確認する、という順序で進むことが多い。
つまり分類は完全な自由設定ではなく、既存の名称体系という”地図”の上で位置を見つける作業に近い。ここで自社製品にぴったりの名称が見つからない場合、それは新規性が高いサインであり、審査の難度も上がる。逆に、適切な名称が既にあるなら、先行品の存在を意味し、申請の道筋は描きやすい。
分類を考えることは、市場での自社製品の”立ち位置”を知ることでもある。
最初に正しいクラスを押さえれば、後工程は安定する。逆にここを勘で進めると、後工程すべてが揺らぐ。急がば回れで、まず分類を固めることをお勧めする。
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