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教育訓練の「実効性の評価」のやり方——受講記録だけでは足りない理由

教育訓練の「実効性の評価」のやり方——受講記録だけでは足りない理由

例えば「対象者は受講済み」「理解度テストも合格」という記録があっても、それだけで教育が役に立ったとは言い切れない。問われるのは、その教育で業務を正しく行えるようになったかである。

QMS省令 第23条第3号は、教育訓練その他の措置の実効性を評価することを求めている。ただし、同条は限定第三種医療機器製造販売業者には第3号を適用しないとしている。該当する事業者にとって、この評価は省令上の義務ではないが、教育が役に立ったかを確かめる方法として、自主的に行うことには意味がある。医薬品の GMP省令 第19条第4号は、教育訓練の実効性を定期的に評価し、必要に応じて改善を図り、その記録を作成し保管することを求める。

なお、当社の無料講座では「有効性評価」という言葉を使っているが、本稿では省令の用語に合わせて「実効性の評価」と書く。どちらも「教育で、必要なことができるようになったか」を確かめることを指す。

評価の方法は、教育の目的に合わせて選ぶ

評価のやり方は一つではない。教育で身につけさせたいものに合わせて選ぶ。

身につけさせたいもの 評価の方法の例
知識(規制の要求、手順の意味) 理解度テスト、口頭での確認
技能(作業・操作・判定) 実技の確認(チェックリストに沿って上長や指導者が観察)、試し作業の結果
業務での定着 一定期間後の業務記録の確認、逸脱・不適合・記録の不備の傾向、上長の面談

理解度テストだけでは、実際の作業の技能を十分に確かめられない場合がある。作業の手順が変わったのなら、その作業ができることを実技で確かめることも考える。

評価の時期を決める

評価には、目的の違う2つの時期がある。

  • 業務を任せる前:その業務に必要な力量があるかを確かめる。単独で作業させるのは、この確認を終えてからにする。テストや実技の確認はここで行う
  • 任せた後の追跡:業務で使えているか、定着しているかを確かめる。いつ行うかは、業務のリスクや頻度に応じて決める
  • 定期:教育訓練の実効性を定期的に評価し、必要に応じて教育の内容・方法・計画を見直す(GMP省令 第19条第4号の「定期的な評価」はここに当たる)

時期を手順書で決めておくと、評価の漏れを防ぐことにつながる。

評価の基準を、教育の前に決める

評価の基準を後から決めると、評価が恣意的になりやすい。教育を計画する時点で、「何ができれば有効とするか」を決めておく。例えば、テストの合格基準、実技チェックリストの必須項目の達成、追跡期間中の関連する記録の不備の状況などである。基準は、業務のリスクと評価する対象(知識か技能か)に応じて自社で決める。省令が一律の基準を定めているわけではない。

不十分だったときの処置まで決める

評価の結果、有効でなかったときに何をするかも決めておく。

  • 本人への再教育(方法を変える:座学から実技へ、など)
  • その業務に就かせる範囲の制限(再評価で有効と判断するまで)
  • 共通する原因の調査(複数の人で同じ結果が出たときは、教育の内容・方法、評価の基準、手順書のわかりやすさ、設備などを含めて原因を調べる)

教育の内容や方法の見直しは、GMP省令のいう「改善」の一例である。評価は個人の合否だけでなく、教育の仕組みを直す材料にもなる。

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